依然レンジ内だが再びドル安方向にリスクか(1/30夕)

週明け30日の東京市場はドルが小安い。

依然レンジ内だが再びドル安方向にリスクか(1/30夕)

依然レンジ内だが再びドル安方向にリスクか

〇本日のドル円、130.30まで値を上げるが、日銀・共同声明に対する見直し提言で一時129.20まで下押し
〇令和国民会議(令和臨調)が提言、政策修正思惑に繋がりドル売り・円買いへ
〇米FOMCに限らず、本邦金融政策に対する関心も高い状況、円高再燃を警戒する声も
〇依然レンジ内での推移継続だがリスクは下向きか、1月安値127.22も視界内に
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.70-130.20、ドル高・円安方向は130.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は129円レベルの攻防にまずは注目、下回ると128円半ばや128円前後を目指す

<< 東京市場の動き >>

週明け30日の東京市場はドルが小安い。一時129.20円レベルまで下押しが入るも底堅く、そののちドルは買い戻されている。

先週末、中国当局が春節(旧正月)期間中26日までのコロナ死者について「6364人で前週から半減した」と発表。一方、米下院外交委員会のマコール委員長(共和党)が、台湾をめぐる中国との衝突の可能性は「非常に高い」と述べたことも話題に。
そうした状況下、ドル/円は129.70-75円で寄り付いたのち当初はドル買い先行。130.30円レベルまで一時値を上げた。しかし、経済界や学識者でつくる「令和国民会議」(令和臨調)が、政府・日銀に共同声明の見直しを提言したと伝えられると、政策修正思惑に繋がり流れは反転。129.20円レベルまで一気にドル売り・円買いが進行している。その後はドルが再び買われるなか、16時現在では129.55-60円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「日本の金融政策」について。
前者は、昨29日で終了した中国の春節休暇、そのなかでも新型コロナの感染拡大をめぐる思惑は依然として根強い。中国当局は前述したように「死者数半減」といったピークアウトを喧伝していたが、WHO事務局長からは「コロナ死者、半数以上が中国からの報告」といった発言が聞かれるなど情報も交錯しているようだ。一方、それとは別に中国大使館が「ウクライナでロシア支援疑惑は事実無根」と完全否定したほか、中国WTO大使も「米国は貿易紛争で一方的ないじめっ子の役割。サプライチェーンを混乱させている」などと強く非難していた。

対して後者は、本日東京時間に岸田首相から「日銀には引き続き適切な金融政策運営を行うことを期待する」といった発言が聞かれるなか、黒田総裁は出席した衆院予算委で「金融緩和を続けることで賃金上昇をともなう形での物価目標の実現は可能」などと述べていた。拙速な金利引き上げをやんわりと否定した格好だが、今年4月初旬の任期切れを持ち交代必須と言うことで影響は限定的。むしろ、前記した経済界や学識者でつくる「令和国民会議」(令和臨調)が、政府・日銀に共同声明の見直しを提言したと伝えられたことで、政策修正思惑に繋がり一気にドル売り・円買い方向へ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週形成した129-131円というレンジ内での動き。依然として明確な方向性は定まっていないものの、敢えて言うならリスクは下向きのイメージだ。先週2度下げ止まり、前記したレンジの下限である129円レベルの攻防に注目で仮に下回るなら、さらなるドル安・円高の進行も否定できないだろう。一足飛びにトライすることはないにしても、1月安値127.22円が再び視界内に。

日米金融政策が依然として注視され、短期的には2月1日に予定されている米FOMCの政策金利発表への関心が高いものの、本日東京の動きからすると日本の金融政策に対する関心もかなり根強いものがありそうだ。一部の参加者からは、このあと東京で話題になった「令和臨調の緊急提言」が海外勢に蒸し返され、円高の再燃を警戒する声も聞かれていた。なお、別途本日も発表される米経済指標の内容などには要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き大局的にレンジ内だが、その下限である129円レベルを意識した動きになっている。まずは同レベルの攻防に注目。下回っても大きく崩れるイメージはないものの、それでも1月安値127.22円までの下げは意識しておく必要がある。
対するドルの抵抗は本日東京高値も近く、移動平均の21日線も位置する130円半ばか。

本日は米経済指標として、1月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定となっている。それを除くと決定済みの材料はやや乏しいが、月末ということもありむしろ需給要因を警戒する声も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.70-130.20円。ドル高・円安方向は東京高値の130.30円レベルが最初の抵抗。その少し上には移動平均の21日線も位置している。
対するドル安・円高方向は、先週一度も割り込めなかった129円レベルの攻防にまずは注目。下回ると128円半ばや128円前後を目指す。

依然レンジ内だが再びドル安方向にリスクか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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