ドル円、下落後に反発するなど往来相場が継続中。米FOMCを控え神経質な展開
〇ドル円、令和臨調の金融政策検証提言等に東京時間に129.21まで下落
〇海外時間にはWSJのFOMCタカ派観測記事、米指標の好調等に130.60まで急伸
〇ユーロドル、スペイン・欧州圏の指標好調に欧州時間に1.0913まで上昇後1.08台前半に反落
〇ドル円、FOMC、ECB理事会等のイベント控え129-131レンジでの往来相場続く
〇但し、テクニカルの地合いは弱い状況が続き、ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測が重石
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:129.75ー131.25
海外時間のレビュー
週明け30日(月)のドル円相場は下落後に急反発。(1)令和臨調が政府・日銀の過去10年間の政策効果を検証した上で新たな共同声明を結ぶよう提言したこと(2%の物価目標を長期的に目指すことなどを提案)や、(2)上記1を背景とした日銀による金融緩和の早期修正観測が重石となり、日本時間午後にかけて、安値129.21まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)短期間で下落した反動(自律反発)や、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米ウォールストリートジャーナル紙のニック記者による1/29の「米当局は労働市場が非常にタイトであるため、ディスインフレが短期間で終わる可能性があることに懸念を表明している/Fed officials have voiced unease that any disinflation might be short-lived because labor markets are so tight」とのタカ派的な記事掲載)、
(5)オプション市場の巨大ピン130.00に引き寄せられるマグネット効果、(6)米1月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲8.4、予想▲15.0)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値130.60まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/31午前5時05分現在)では、130.54前後で推移しております。
週明け30日(月)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)スペイン1月消費者物価指数速報値(結果+5.8%、予想+5.0%、※前年比)の市場予想を上回る結果や、(2)上記1を背景としたECBによる金融引き締め長期化観測(独債利回り上昇→ユーロ買い)、(3)ユーロ圏1月経済信頼感(結果99.9、予想97.0)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏1月鉱工業信頼感(結果+1.3、予想▲0.9)の良好な結果、(5)ユーロ圏1月サービス業信頼感(結果+10.7、予想+8.5)の力強い結果が支援材料となり、欧州勢参入後に、高値1.0913まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと(先週1/26に記録した約9ヵ月ぶり高値1.0930をバックに戻り売り圧力が強まると)、(6)ドイツ10ー12月期GDP速報値(結果+0.5%、予想+0.8%、※前年比)の市場予想を下回る結果や、(7)ロンドンフィキシングに絡む大規模なユーロ売り・ポンド買いフロー、(8)米1月ダラス連銀製造業活動指数の良好な結果、(9)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0839まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/31午前5時05分現在)では、1.0847前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は「129.00ー131.00」をコアレンジとした上下動が6営業日連続で続いています。昨日も一時129円台前半で値を崩すも、結局130円台半ばを回復する往来相場となりました。米FOMCやECB理事会といった重要イベントを控え、投資家が「様子見ムード」を強めていることが背景にあると考えられます。但し、上方に複数のレジスタンスポイントを控えていることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」が成立していること、ダウ理論の下落トレンドが成立していること(昨年10/21に記録した高値151.95を起点に高値と安値を同時に切り下げる下降チャネルが継続中→1/6高値134.79を上抜けしない限り下落トレンド継続と判断)、向こう2週間以内に90日移動平均線と200日移動平均線のデッドクロスが見込まれていること(成立すれば強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダーが点灯)等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(リスクは依然ダウンサイド)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる金融引き締め休止観測や、日銀による金融緩和の修正観測、日米名目金利差縮小を見越したドル売り・円買いなど、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。事実、CFTC(米商品先物取引委員会)が公表した1/24時点の非商業部門ポジション(投機筋のポジション)は、ドルに対する円の売り越し額が約1年11ヵ月ぶり低水準まで縮小しました。円キャリートレード逆流の流れは長期化する公算が大きく、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(但し、本日は、米FOMCやECB理事会といった米欧の金融政策イベントを直前に控え、上下共にポジションを張りづらいことから、レンジ内で方向感に欠ける値動きが続くと予想)。尚、本日は米11月S&Pケースシラー住宅価格指数や、米1月シカゴ購買部協会景気指数、米1月消費者信頼感指数に加えて、月末特有のトリッキーなフロー(月末本邦仲値や月末ロンドンフィキシング)に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:129.75ー131.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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