ドル円131円台に急伸、日銀政策修正見送り、大規模緩和策継続で
18日午前の東京市場でドル円はもみ合い後に急上昇。朝方128.22レベルで取引の始まったドル円は、午前中は日銀の政策発表を前に、128円台を中心に方向感に欠ける動きに終始し、128円台半ばで政策発表を迎えました。
11:40頃、日銀によりやや早めに公表された今回の金融政策では政策変更は無く、長期金利の変動幅も前回同様±0.5%程度とされています。同時に発表された「経済物価情勢の展望」(展望レポート)では今年度のGDP見通しを+2.0%から+1.9%に引き下げ、同時に消費者物価指数(除く生鮮食品)を+2.9%から+3.0%に、除く生鮮食品・エネルギーでは+1.8%から+2.1%に引き上げています。
一方で2023-4年度はGDP伸び率見通しを大きく下方修正、物価は2024年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)と2023年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、エネルギー)のみ小幅に上方修正(どちらも+1.6%→+1.8%)しており、足下の物価上昇をあくまで一時的なものと捉え、先々の経済減速リスクをより強く意識した内容となっています。
市場では今回の会合で、禁輸緩和政策再修正や少なくとも何らかの見直し実施等を予想する声も多かっただけに、事実上の「ゼロ回答」ともとれる内容にドル円は乱高下しつつも急上昇。直後に130円を突破し一時131.25の高値をつけた後、東京時間12:45現在は131円近辺で取引されています。
テクニカルにはドル円は、この上昇で本日131.00の転換線レベルまで上昇、いったん頭を抑えられた形です。ここから131円台にしっかり乗せてくると131.62付近の21日線、中期下降トレンドチャネル上限(132.27レベル)、基準線(132.70)等が次のターゲットとなってきます。
ただ、既に日銀の国債買い入れによる円長期金利のイールドカーブのゆがみや、円金利スワップとの水準乖離、国債市場の流動性低下等の弊害、そもそもの大規模緩和政策継続の妥当性等が市場で疑問視されつつある中で、次回3月会合までの間にさらなる円金利上昇圧力が加わる可能性は高く、このまま一方向での円安が継続することは考えにくいと思われます。
尚、午前中一時0.51%まで上昇していた日本国債10年物の利回りは、政策発表を受けた午後の取引で0.42%台に低下しています。
この後15:30からの黒田総裁記者会見がいつも以上に注目されます。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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