ドル円、約3カ月半ぶり安値圏へと大幅下落。200日移動平均線が射程圏内に(12/2朝)

月初1日(木)のドル円相場は大幅続落。

ドル円、約3カ月半ぶり安値圏へと大幅下落。200日移動平均線が射程圏内に(12/2朝)

ドル円、約3カ月半ぶり安値圏へと大幅下落。200日移動平均線が射程圏内に

〇ドル円、米10月PCEコアデフレータ、ISM製造業景況指数の不冴えに135.23まで急落
〇FRB関係者のハト派発言も相次ぎ、米長期金利急低下
〇ユーロドル、米長期金利低下と欧州株の堅調推移に一時1.0533まで急伸
〇ドル円、約3カ月半ぶり安値に急落、目先200日移動平均線を試す展開
〇ファンダメンタルズもドル円相場の続落を連想させる材料が増えつつある
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続メインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:134.25ー136.75

海外時間のレビュー

月初1日(木)のドル円相場は大幅続落。(1)日本時間早朝に発表されたパウエルFRB議長講演での「利上げペースを緩やかにすることは理にかなっており、その時期は早ければ12月FOMCで訪れるかもしれない」とのハト派的な発言や、(2)それに伴う米長期金利の急低下(米10年債利回りは9/22以来の低水準となる3.53%へ急低下)、(3)円キャリートレード逆流観測(円ショート勢のポジション手仕舞い)、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、(5)米10月PCEコアデフレータ(結果0.2%。予想0.4%、前回0.5%、※前月比)の伸び率鈍化、

(6)米11月ISM製造業景況指数(結果49.0、予想49.7、前回50.2)の市場予想を下回る結果、(7)ボウマンFRB理事による「利上げペース減速は適切」とのハト派的な発言、(8)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「インフレの歓迎すべき緩和の兆しが見られる」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、8/18以来、約3ヵ月半ぶり安値となる135.23まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/2午前5時30分現在)では、135.35前後で推移しております。

月初1日(木)のユーロドル相場は大幅上昇。(1)パウエルFRB議長によるハト派的な発言や、(2)欧州株の堅調推移、(3)米10月PCEコアデフレータの伸び率鈍化(米インフレ緩和期待の更なる高まり)、(4)米11月ISM製造業景況指数の冴えない結果、(5)米長期金利の急低下、(6)心理的節目1.0500を突破したことに伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、米国時間にかけて、6/29以来、約5ヵ月ぶり高値となる1.0533まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/2午前5時30分現在)では、1.0518前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は11/21に記録した戻り高値142.26をトップに反落に転じると、昨日は約3カ月半ぶり安値となる135.23まで急落しました。この間、ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」や「ダウ理論の下落トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。目先は200日移動平均線が位置する134.40や、8/11安値131.73、8/2安値130.40を試す動きが想定されます。また、ファンダメンタル的に見ても、(1)米FRBによる利上げペース鈍化観測が一段と強まっていることや、(パウエルFRB議長のハト派発言をきっかけに市場は米利上げペース鈍化を一段と織り込む動き)や、(2)上記1を背景とした米金利低下とそれに伴う米ドル指数の大幅下落(米10年債利回りが9/22以来の低水準となる3.53%へ急低下→対主要通貨でのドル売り再開→米ドル指数は8/11以来の低水準となる104.57まで急低下)、

(3)日銀による金融緩和脱却観測(黒田総裁退任後のポスト黒田体制下で金融緩和脱却のタイミングが模索されるとの思惑)、(4)上記1、2、3を背景とした日米名目金利差縮小観測(円キャリートレード逆流リスク)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続メインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米11月雇用統計と、来年早々に退任するシカゴ連銀エバンス総裁講演(後任はグールズビー氏)に注目が集まります。米雇用統計(非農業部門雇用者数+失業率+平均時給)が冴えない結果となれば、米金利低下→米ドル売りの経路で、ドル円にもう一段強い下押し圧力が加わる恐れがあるため、本日もダウンサイドリスクに注意を要する1日となりそうです(尚、アジア時間帯は急ピッチで下落した反動で一時的に持ち直す可能性あり)。

本日の予想レンジ:134.25ー136.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約3カ月半ぶり安値圏へと大幅下落。200日移動平均線が射程圏内に

ドル円日足

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