米感謝祭前、調整の動きなどにも注意
〇ドル円、140円台後半から一時141円半ばまで値を上げ小高く推移
〇短期的には140-142円程度をコアレンジとした一進一退をたどるとの声も
〇本日は公開されるFOMC議事要旨等要警戒
〇目先ドルの下値不安は若干後退している感があるものの、油断は禁物か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.70-142.00
〇ドル高・円安方向は移動平均の90日線も位置する141円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の140.90レベルをめぐる攻防にまずは注目か
<< アジア市場の動き >>
23日のアジア市場はドルが小高い。140円台後半から一時141円半ばまで値を上げるも、上値は重く伸び悩みの様相だった。
ドル/円は141.20-25円で寄り付いたものの、前日NY終盤の流れを継ぎ当初はドル売り先行。141円を割り込む局面も観測されていた。しかし140.90円レベルで底を打つと切り返しの動きから141円半ばへまで上伸。その後は141円台での一進一退で方向性に欠ける動きをたどるなか、16時現在では141.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の政権不安」と「中国情勢」について。
前者は、岸田政権で3人目の閣僚辞任。「政治とカネ」にからんで疑惑が発覚した寺田総務相が更迭されるなか、今度は当の岸田首相自身に同様の問題が取り沙汰されていた。昨年の衆院選における「白紙の領収書問題」を週刊文春が報じており、公職選挙違反の可能性もあるという。一方、そうしたなか朝日新聞は「岸田首相、早ければ年明けにも内閣改造と党役員人事を行うことを検討」と報じていたが、事実だとしても果たして支持率回復などに繋がるものであるかどうかは未知数だ。
対して後者は、新型コロナの感染拡大が取り沙汰される中国で規制強化と思しき動きが幾つか観測され話題に。たとえば北京市当局は、24日から商業施設、ホテル、政府の建物など公共の場所に立ち入る場合、48時間以内に実施したPCR検査での陰性証明が必要になると発表したほか、上海市でも24日から新たな入境者に対し、公共の場への出入りを5日間禁止する措置をとることが明らかにされていた。また上海市内で開催中の自動車業界のイベントが突如中止にも。反面で、コロナの規制緩和期待も根強く聞かれるが、感染者増という環境下、現実問題としてゼロコロナ政策の解除はなかなか難しいものがありそうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週一度も超えられなかった141円の壁を超えただけでなく、その勢いのまま142円台まで上値を伸ばしてきたものの、その後失速。結局、141円台へと押し戻されている。断定するには早いが、ドルの上値トライも一旦は失敗か。短期的には140-142円程度をコアレンジとした一進一退をたどるなか、次の方向性を探る値動きを見込む声も。
市場筋による日米金利情勢への関心は依然として高く、本日も発表される米経済指標や要人発言、米金利情勢には要注意。また、公開されるFOMC議事要旨にも警戒感を抱く向きは多いようだ。しかし、本日は東京が休場となったうえ、明24日は米国が休場となることもあり、ポジション調整を含めた様々な需給要因を警戒する声も聞かれていた。場合によっては思わぬタイミングで思わぬ乱高下もあるか。
テクニカルに見た場合、足もとのドル/円相場は移動平均の90日線に絡む動き。141円半ばに位置する90日線を挟んでの上下動をたどっている。一方、一目均衡表では先行帯の雲の下限にあわせて下値を切り上げる展開ながら、雲の下限は今後さらに上昇することが見込まれている。たとえば来週初めには142円台へと到達する公算が大きいようだ。目先ドルの下値不安は若干後退している感があるものの、油断は禁物か。
本日は米経済指標として、10月の耐久財受注速報値や11月の製造業PMI速報値などが発表されるほか、11月1-2日開催分のFOMC議事要旨公開も実施される見込みだ。またサンクスギビングデー、休日前ということで駆け込み的な需給要因などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.70-142.00円。ドル高・円安方向は移動平均の90日線も位置する141円半ばが最初の抵抗。上抜ければ142円回復を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の140.90円レベルをめぐる攻防にまずは注目か。割り込むと140円半ばの一目の雲の下限が再び意識されそうだ。(了)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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