ドル円、再び反落。本日は米FOMC議事要旨と米感謝祭前のポジション調整に警戒
〇ドル円、アジア時間の高値142.24から米国時間にかけ141.09まで下落
〇ムーディーズの来年11月のFRB利下げ可能性指摘、米金利低下、米指標不冴え等が重石に
〇ユーロドル米国時間午後にかけユーロ圏11月消費者信頼感の好調等に1.03台回復
〇ドル円、転換線がレジスタンスとして機能、数日中に「雲」下抜けの可能性も高く地合い弱い
〇本邦祝日でドル買い弱まり、感謝祭前のポジション調整もあり、ドル円の頭重いか
〇本日の予想レンジ:140.25ー142.25
海外時間のレビュー
22日(火)のドル円相場は急反落。アジア時間朝方に高値142.24まで上値を伸ばすも、前日高値142.26(11/11以来の高値圏)をバックに伸び悩むと、(1)短期間で上昇したことに伴う反動売り(利食い売り)や、(2)格付会社ムーディーズによる「FRBが早ければ2023年11月に25bpー50bpの初回利下げに踏み切る可能性がある」とのハト派的な見解発表、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、(5)本邦祝日を控えたポジション調整(祝日中は輸入企業の実需のドル買いが出ないことから上値が重くなり易い)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値141.09まで下落しました。その後も、(6)米11月リッチモンド連銀製造業景気指数(結果▲9、予想▲8)の市場予想を下回る結果や、(7)対ユーロでのドル売り圧力が上値を抑え、本稿執筆時点(日本時間11/23午前3時40分現在)においても、141.20前後での上値の重い展開が続いております。
22日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。前日海外時間に安値1.0223(11/11以来の安値圏)まで下げ幅を広げるも、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、(1)短期間で下落したことに伴う反動買い(自律反発)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、(4)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「コアインフレが低下しつつある兆候は見られない」とのタカ派的な発言、(5)ユーロ圏11月消費者信頼感(結果▲23.9、予想▲26.0)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0297まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/23午前3時40分現在)では、1.0294前後で推移しております。(編集部:その後1.03台を回復)
本日の見通し
ドル円は11/15に記録した約2カ月半ぶり安値137.68をボトムに反発に転じると、前日海外時間に一時142.26(11/11以来の高値圏)まで持ち直しましたが、昨日は再び141円台前半へと下落するなど冴えない動きが続いております。日足ベースの一目均衡表転換線がレジスタンスとしての役割をきっちり果たしたこと(上値の重さを嫌気した見切り売りを誘発)や、上方より複数のレジスタンポイントが垂れ下がってくること、向こう数日以内での強い売りシグナルを示唆する三役逆転成立が意識されていること(一目均衡表雲下限が日に日に切り上がってくるため、ローソク足が数日以内に受動的に雲下限の下側に追い出される公算大)等を踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しい)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、米利上げペース鈍化が市場コンセンサスになりつつあること(米当局者がいくら市場の過度なハト派織り込みを牽制しようとも米利上げペース鈍化の方向性は不変。事実米長期金利はFRB当局者の発言に無反応)や、上記を背景とした日米名目金利差縮小観測(市場は米FRBが利上げ休止フェーズを迎えるであろう半年先と、ポスト黒田の新日銀体制による金融緩和脱却が意識されるであろう半年先の相場環境を共に織り込むため、ここから先の焦点は円キャリートレードのアンワインド)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。
本邦が本日祝日であること(実需のドル買い圧力が幾分弱まる可能性大)や、米国が明日以降感謝祭(Thanksgiving-Day)入りすること(ポジション調整が意識され易い相場環境)等も重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米国時間に発表される米MBA住宅ローン申請指数、米10月耐久財受注速報値、米新規失業保険申請件数、米11月製造業・非製造業PMI速報値、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、米10月新築住宅販売件数、FOMC議事要旨などイベントが盛沢山となりますので、海外時間帯のボラティリティ急拡大に注意が必要でしょう(特にFOMC議事要旨に注目。11/1ー11/2の日程で開催された米FOMCはハト派的な声明文にも係わらずパウエルFRB議長がタカ派的な見解を述べるなど全体的にチグハグ感が目立つ内容となっていたため、本日発表される議事要旨を通じて、FOMCメンバー内のタカ派・ハト派の勢力図を確認することが重要)。
本日の予想レンジ:140.25ー142. 25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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