ドル円、心理的節目141円・142円・143円を次々に突破。24年ぶり高値更新(9/7朝)

6日(火)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、心理的節目141円・142円・143円を次々に突破。24年ぶり高値更新(9/7朝)

ドル円、心理的節目141円・142円・143円を次々に突破。24年ぶり高値更新

〇ドル円先週末の直近高値140.80上抜け、米国時間午後に24年ぶり高値143.07まで急伸
〇8月ISM非製造業指数の予想を上回る好調、米10年債利回り3.35%への急上昇等が背景
〇ユーロドル、欧州株堅調等に0.9987まで上昇するも、米金利の上昇等に0.9864に下落
〇ドル円、日足・週足・月足の全ての主要レジスタンスポイントを突破、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズもドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が増えつつある
〇レジスタンスポイントが全く見当たらない青天井相場に突入
〇本日の予想レンジ:141.75ー144.75

海外時間のレビュー

6日(火)のドル円相場は大幅上昇。アジア時間朝方にかけて、安値140.26まで軟化するも、前日安値140.08や、心理的節目140.00をバックに下げ渋ると、@株式市場の堅調推移(日経平均株価の反発や時間外のダウ平均株価の急上昇→リスク選好の円売り圧力)や、A日本とその他各国との金融政策格差(ドル円・クロス円上昇→円独歩安)、B先週末金曜日に記録した直近高値140.80を上抜けたことに伴う仕掛け的なドル買い・円売り、C米8月ISM非製造業景況指数(結果56.9、予想55.1、前回56.7)の力強い結果、D米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは6/16以来となる3.35%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、1998年8月31日以来、約24年ぶり高値となる143.07まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/7午前5時40分現在)では、142.85前後で推移しております。

6日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@ECB理事会を控えた警戒感(今週9/8に予定されているECB理事会での大幅利上げ観測)や、A株式市場の堅調推移(ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値0.9987まで上昇しました。しかし、心理的節目1.0000(パリティ)をバックに伸び悩むと、Bロシア国営ガスプロム社によるノルドストリーム1の停止継続や、C上記@を背景としたエネルギー危機顕在化への警戒感(欧州経済の先行き不透明感)、D米金利上昇に伴うドル買い圧力、Eドイツ7月製造業受注(結果▲13.6%、予想▲13.4%、前回▲9.0%、※前年比)の冴えない結果、Fドイツ10年債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、2002年12月以来、約19年9ヵ月ぶり安値となる0.9864まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/7午前5時40分現在)では、0.9902前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は、先週末金曜日(9/2)に記録した高値140.80を上抜けすると、心理的節目141.00、142.00、143.00を次々に突破し、3連休明けの米国勢参入後には、1998年8月31日以来、約24年ぶり高値となる143.07まで急伸しました(8/2に記録した安値130.40を起点に僅か1ヵ月程度で12円67銭の値幅で急上昇)。
日足・週足・月足の全てのローソク足が主要レジスタンスポイントを突破した他、一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォークやダウ理論の上昇トレンドといった買いシグナルも複数点灯しており、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(タカ派姿勢を強める米国と緩和姿勢を貫く日本との金融政策格差→日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)や、A日本とその他各国との金融政策格差(米国のみならず多くの先進国が金融引き締めスタンスに転じる中、日本とその他各国との金利差拡大→クロス円上昇→ドル円連れ高)、B米政府・米当局によるドル高容認スタンス(インフレ抑制を目的に米国はドル全面高の流れを黙認)、C上記Bを背景とした本邦当局による円買い為替介入のやりにくさ、D本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が増えつつあります(一部でリスク回避の円買いの再来を指摘する声も聞かれますが、仮にグローバルなリスク回避局面が訪れたとしても円買いとドル買いが綱引き状態で相殺されるためドル円相場への影響は限定的)。

こうした中、本日は米7月貿易収支やベージュブックに加えて、クリーブランド連銀メスター総裁講演や、ブレイナードFRB副議長講演、バーFRB副議長講演などの米当局者発言に注目が集まります。米当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ場合には、米金利上昇→米ドル高の経路でドル円にもう一段強い上昇圧力が加わる恐れがあるため、本日海外時間もドル円のアップサイドリスクに注意が必要でしょう(既にレジスタンスポイントが全く見当たらない青天井相場に突入しているため、余程強いドル売り・円買い材料が出てこない限り、ドル円相場の上昇基調は続く見通し。状況次第では心理的節目144.00や145.00を突破するシナリオも想定。一方、予想に反してドル円が反落する要因としては、本邦政府・当局による実弾為替介入やそれを匂わす具体的で踏み込んだ円安牽制発言が挙げられますが、上記Bを踏まえるとそのリスクは小さいと整理可能)。

本日の予想レンジ:141.75ー144.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目141円・142円・143円を次々に突破。24年ぶり高値更新

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