ドル円、心理的節目135円を挟んで方向感に欠ける展開。早くもCPI待ちの様相(8/9朝)

週明け8日(月)のドル円相場は心理的節目135.00を挟んで振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。

ドル円、心理的節目135円を挟んで方向感に欠ける展開。早くもCPI待ちの様相(8/9朝)

ドル円、心理的節目135円を挟んで方向感に欠ける展開。早くもCPI待ちの様相

〇ドル円、米国時間に134.37まで下落後持ち直し、135円前後の推移
〇雇用統計、FRB関係者のタカ派スタンス、中国軍事演習継続等の材料に135円挟み上下動
〇ユーロドル1.0200を挟んで方向感に欠ける動き
〇ドル円アジア時間に135.55まで急伸、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも米リセッション懸念後退、米大幅利上げ観測再燃等ドル買い材料多い
〇今週米CPI、PPI発表控え、本日は様子見ムードが強まり易いか
〇本日の予想レンジ:134.25ー135.75

海外時間のレビュー

週明け8日(月)のドル円相場は心理的節目135.00を挟んで振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。@先週末金曜日に発表された米7月雇用統計が力強い結果を示したことや、A上記@を背景とした米FRBによる大幅利上げ観測(次回9月FOMCでの75bp利上げを織り込む動き→米長期金利上昇→日米名目金利差拡大→ドル買い・円売り)、B株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値135.55(7/28以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C米7月消費者物価指数(8/10発表予定)を控えたポジション調整や、D台湾・中国を巡る地政学的リスク(中国は8/7までの予定だった台湾周辺での軍事演習を8/8も継続)、E米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間にかけて、安値134.37まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間8/9午前5時00分現在)では、135.05前後で推移しております。

週明け8日(月)のユーロドル相場は心理的節目1.0200を挟んで方向感に欠ける展開。@米金利上昇に伴うドル買い圧力(8/5に発表された米7月雇用統計の力強い結果→米FRBによる大幅利上げ観測浮上→米長期金利上昇→米ドル買い)や、A欧州経済の先行き不透明感、Bイタリアを巡る政局不透明感(イタリアの中道政党「アツィオーネ」が先週合意した中道左派・民主党との選挙協力体制から早くも離脱)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.0159まで下落しました。しかし、先週末金曜日に記録した安値1.0141をバックに下げ渋ると、Cユーロ圏8月投資家信頼感指数(結果▲25.2、予想▲29.0、前回▲26.4)の市場予想を上回る結果や、D米7月消費者物価指数(8/10発表予定)を控えた警戒感、E米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.0222まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間8/9午前5時00分現在)では、1.0195前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は7/14に記録した約23年10ヵ月ぶり高値139.40をトップに反落に転じると、8/2に一時130.40(約2ヵ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げましたが、米当局者による相次ぐタカ派発言や、米雇用統計のポジティブサプライズが支援材料となり、週明け8/8には、一時135.55まで急伸する展開となりました。7/14高値139.40と、8/2安値130.40の半値戻し134.90をわずか1週間足らずで達成するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります(クライマックスセリング終了後の持ち直しフェーズに突入。短期筋による大規模ロスカットを経て、ドル円の上値が想像以上に軽くなっている可能性あり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米経済を巡るリセッション懸念の後退(米GDPの 2四半期連続マイナス成長後に広がった米経済のリセッション懸念は、先週末金曜日の米雇用統計を経て後退)や、A次回9月FOMCでの75bp利上げ観測再燃(米当局者による相次ぐタカ派発言も後押し)、B日銀による金融緩和の長期化方針、C上記ABを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大)、D米政府・米当局によるドル高容認姿勢(米国はインフレ抑制に繋がるドル高を容認する構え)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています(7/27以降のドル円下落要因だった上記@Aは解消済み)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。但し、今週は米7月消費者物価指数(8/10)や米7月生産者物価指数(8/11)といった重要イベントを週央以降に控えているため、本日は様子見ムードが強まり易く、ドル円は上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです(今晩は米4ー6月期非農業部門労働生産性や、米4ー6月期単位労働コスト、米レッドブック週間小売売上高、米3年債入札などが予定されているものの、上記理由からドル円相場の方向性を決定づけるには至らない可能性大)。

本日の予想レンジ:134.25ー135.75

ドル円、心理的節目135円を挟んで方向感に欠ける展開。早くもCPI待ちの様相

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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