ドル円、中国のミサイル発射や米国のサル痘緊急事態宣言を受けて急落。米雇用統計に注目(8/5朝)

4日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、中国のミサイル発射や米国のサル痘緊急事態宣言を受けて急落。米雇用統計に注目(8/5朝)

ドル円、中国のミサイル発射や米国のサル痘緊急事態宣言を受け急落。米雇用統計に注目

○ドル円、米国時間午後にかけて安値132.76まで急落
○米中対立激化への懸念や米経済指標の不冴え、米雇用統計を控えたポジション調整などが背景
○ユーロドル、米金利低下に伴うドル売り圧力などから高値1.0254まで急伸
○ドル円、一目均衡表雲上限を下抜けするなど、上値の重さを印象付けるチャート形状
○米雇用統計の結果次第で、リセッション懸念が再燃か後退かが明白に
○ドル円急騰・急落いずれのパターンもあり得、発表直後のボラティリティ急拡大に要注意
○本日の予想レンジ:131.00ー135.00

海外時間のレビュー

4日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。@米当局者による相次ぐタカ派発言(サンフランシスコ連銀デイリー総裁、シカゴ連銀エバンス総裁、クリーブランド連銀メスター総裁、セントルイス連銀ブラード総裁など)や、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇(米利上げペース鈍化観測後退→米長期金利上昇→米ドル高)、B株式市場の堅調推移(日経平均株価は前日比190.3円高を記録→リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、日本時間17時過ぎに、高値134.43まで上昇しました。

しかし、前日高値134.55をバックに伸び悩むと、C中国軍による計9発の弾道ミサイル発射(内5発が日本の排他的経済水域内に落下)や、D上記Cを背景としたリスク回避の円買い圧力、E米新規失業保険申請件数(結果26.0万件、予想25.9万件)の冴えない結果、F米金利低下に伴うドル売り圧力、G米雇用統計を控えたポジション調整、Hベセラ米厚生長官による「サル痘に関する公衆衛生上の緊急事態宣言」の実施が重石となり、米国時間午後にかけて、安値132.76まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/5午前5時00分現在)では、132.88前後で推移しております。

4日(木)のユーロドル相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値1.0156まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米経済指標の冴えない結果(米新規失業保険申請件数)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、B米雇用統計を控えたポジション調整、C対英ポンドでのユーロ買い圧力(英中銀は昨日50bpの大幅利上げに踏み切ったものの、ベイリー総裁が年後半のリセッション懸念を示したことで、英2年債・10年債スプレッドが逆イールドとなり、英ポンドが対ユーロで急落)、Dラトビア中銀カザークス総裁による「ECBはインフレ昂進を抑制するために利上げを継続すべき」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0254まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/5午前5時00分現在)では、1.0247前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は8/3に記録した高値134.55をトップに反落に転じると、昨日は一時132.76まで急落しました。重要イベント(米雇用統計)を控えたポジション調整に加えて、中国軍によるミサイル発射や、米国のサル痘に関する緊急事態宣言が重なったことが、ドル売り・円買いの背景であると考えられます。テクニカル的に見ても、サポートポイントとして意識されていた一目均衡表雲上限を下抜けした他、8/2安値130.43と8/3高値134.55を起点としたフィボナッチ38.2%押し(132.97)も達成するなど、テクニカル的に見て、上値の重さを印象付けるチャート形状となりつつあります(状況次第では、フィボナッチ半値押しが位置する132.49や、一目均衡表雲下限131.68を試すシナリオも想定)。こうした中、本日は日本時間21時30分に発表される米7月非農業部門雇用者数(予想24.9万人)、米7月失業率(予想3.6%)、米7月平均時給(予想0.3%)に注目が集まります。特に米7月非農業部門雇用者数への注目度が高く、市場予想を上回る結果となれば、米労働市場堅調→米リセッション懸念後退→米利上げ観測再燃→米長期金利上昇→米ドル買いの経路が期待されます。

一方、市場予想を下回る結果となれば、米労働市場ピークアウト→米リセッション懸念再燃→米利上げペース鈍化観測→米長期金利低下→米ドル売りの経路が強まりそうです。先週発表された米第2四半期GDPが2四半期連続のマイナス成長を記録したにも係わらず、バイデン米大統領やイエレン米財務長官よりリセッションには当たらないとの発言が出てきた背景には、米労働市場の強さが挙げられます。従って、本日発表される米雇用統計の結果次第で、米リセッション懸念が再燃するのか後退するのかが明白となるため、発表直後のボラティリティ急拡大に注意が必要でしょう(結果次第でドル円急騰・ドル円急落のいずれのパターンもあり得ることから、リスクが極めて大きく、当方は米雇用統計を迎えるにあたって、ポジションを極力スクエアの状態に近づける方針)。

本日の予想レンジ:131.00ー135.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、中国のミサイル発射や米国のサル痘緊急事態宣言を受け急落。米雇用統計に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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