米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利の予想(22/7/27)

NY時間7月27日14時(水曜日)にFOMC会合の記者発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利の予想(22/7/27)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

NY時間7月27日14時(水曜日)にFOMC会合の記者発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

( 1 )政策金利(7月27日 8時30分現在の予想)

現在のFFレート「1.50%〜1.75」⇒0.75%利上げし「2.25〜2.50%」
(レンジは下限2.00〜2.50%{上限2.25〜2.75%}で、一部は0.50%か1.00%の利上げを予想)

エコノミスト予想は中央値で75ベーシスの利上げ予想になっています。注目点としては、
@ FOMCメンバーの意見(下記4)を見る限り、利上げ幅の議論は75〜100ベーシスが基本で、大方は75ベーシスとなっています。そして次回9月も0.50%の利上げを想定しているようです。
A 下記(3)のCME Fedwatchでは、今回0.75%利上げが75%、1.00%利上げが25%になっています。1〜2週間前と比較して1%利上げの割合が減っています。


B (4)を見ると、FRBの中立金利が3〜4%の意見が多く、もし今回0.75%の利上げなら、残り1.75〜1.50%の利上げ余地ですので、年内の会合3回で平均0.5%利上げになります。
C 前回のドットプロットでは、年内の最大利上げを見込む委員は4%、2023年4.5%ですので、今後余程インフレ悪化が見られない限り、乃至経済指標が一段と悪化すれば、次第に利上げの上限が抑え込まれてきます。既にCME Fedwatchは上限が抑制的になっています。
D また、エコノミストは、現在のFRBがインフレ沈静化を最大の使命とみており、仮にこのまま利上げを継続しても現状では米国経済の先行き腰折れを想定していないと見ている様です。実際の経済指標は現状で悪化しているので、今回は先行き経済の議論内容が重要と見ている向きがあります。
以上が予想される項目と思われます。

( 2 )前回6月FOMC会合での議事要旨

FOMC声明文記者発表要旨
全般的な経済活動は第1四半期に落ち込んだ後、持ち直していると見られる。雇用の増加はここ数ヶ月で力強くなり、失業率は低いままである。インフレは、パンデミックに関連した需給の不均衡、エネルギー価格、幅広い価格圧力を反映して依然上昇している。

ロシアによるウクライナ侵攻はとてつもない人的・経済的苦難をもたらした。侵攻とそれに関連した出来事によりインフレは追加の上昇圧力を生み、世界経済活動に重く圧し掛かっている。加えて、中国におけるCovid-19関連のロックダウンはおそらく供給チェーン混乱を悪化させるだろう。委員会はインフレリスクに対し非常に注意を払っている。

委員会は最大雇用と長期に亘るインフレ目標2%の達成を目指している。この目標を支援するため、委員会はFFレートの目標レンジを1.50〜1.75%に引き上げることを決定した。目標レンジの継続的な上げが適切であると予想している。加えて、委員会は国債、機関債、不動産担保証券の保有減少を継続する。これは5月に公表した「FRBバランスシートサイズ減少計画」に記載されててる。委員会はインフレを2%目標へ回帰させることを強く付託されている。

金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対し入手する情報の含みを引き続き監視していくつもりである。もし目標達成を妨げるリスクが生じた場合、委員会は金融政策スタンスを適宜調整する用意がある。委員会の査定は、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待、金融および国際情勢に関する分析を含む幅広い情報を考慮にいれる。

 (注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

( 3 )CME Fedwatch

市場は前回6月中旬時点の予想と比較すると、上げ幅が抑え込まれています。前回は年内・来年2月時のFOMCでは上限4.50%までの利上げ予想がありましたが、今回は2月時に僅か0.1%に留まり、一方で下限は3%(利上げ予想)以下も散見されます。この辺りが10年債金利軟化の1要因になっているようです。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

(6月14日時点:前回)
上記CとDは右端以降の利上げ幅が少数あります。その分を加味すると100%になります。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について 2枚目の画像

(7月26日時点:今回)

( 4 )最近のFRB関係者の主な発言(最近1・2週間分程度)

7月15日 デイリー・SF連銀総裁 「インフレは高すぎる」
7月15日 ブラード・セントルイス連銀総裁「7月会合で、1%または0.75%利上げ実施にそれほどの大きな違いはない」「ドル高は米国インフレ率の低下を意味する」
「年末までに政策金利を3.75〜4.0%にする必要」
7月15日 ボスティック・アトランタ連銀総裁「あまりに劇的な動きは経済を弱体化させ、不確
実性を増す可能性」「0.75%は大きな動き」
7月15日 ウォラー・FRB理事「市場は1%利上げに関し、やや先走った可能性がある」

7月14日 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレがピークに達したという説得力ある兆候はない」「インフレは高すぎる」
7月14日 バーキン・リッチモンド連銀総裁「FRBは成長ではなく、インフレ抑制に焦点をあてるべき」
「短期的なリセッションのリスクがある」
7月11日 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁「利上げペースは経済と金融市場の状態で、
慎重にバランスとる必要がある」「金利の急激な変化は経済に緊張をもたらす可能性」
7月9日 ウィリアムズ・NY連銀総裁「FF金利は年末までに3〜3.5%になるが、その後は多くの不確実性がある」「経済が減速していることは明らか」
7月8日 ウォラー・FRB理事 「7月に0.75%、9月におそらく0.50%の利上げを支持」
6月29日 メスター・クリーブランド連銀総裁「米金利は来年4%を上回ることを望む」
「米経済のリセッション入りは予想していない」
(以上)

下記はドル円の日足チャートです。今年3月初旬の底値からのサポートA(=135円10銭)に守られてドル高トレンドを継続しています。直近では5月27日底値からのB(=139円00銭)と高値を結んだC(=140円30銭)でドル高ウェッジを形成していましたが、先週水曜日に下割れし、新たにD(=135円70銭)でサポートされています。一方で、上値は直近高値からのE(=138円50銭)で抑えられ、Dとで収斂しています。
今日のFOMCと明日の2Q・GDPで下限のDとAが守られ、短中期のドル高トレンドを維持できるのか、あるいはEを越えてくれれば、少なくともAとCのドル高ウェッジは維持されることになります。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について 3枚目の画像

(2022年7月27日10:05、1ドル=137円10銭)

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