ドル円、下落後に持ち直す展開。米株と米金利のダブル上昇がドル円の支え(7/20朝)

19日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に持ち直す展開。米株と米金利のダブル上昇がドル円の支え(7/20朝)

ドル円、下落後に持ち直す展開。米株と米金利のダブル上昇がドル円の支え

〇ドル円、ポジション調整、対ユーロ、対豪ドルでのドル売りに米国時間に137.38まで下落
〇売り一巡後は米株の大幅上昇、米10年債利回りの3%台回復等に138円台前半を回復
〇ユーロドル、ECB理事会での大幅利上げ観測再燃等で高値1.0269まで急伸
〇ドル円、昨日も一目均衡表転換線がサポートとして確り機能するなど、テクニカルにも底堅い動き
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いと米国のドル高容認姿勢等に変化なし
〇引き続きドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日5・10日、仲値にかけてドル不足注意
〇本日の予想レンジ:137.75ー138.75

海外時間のレビュー

19日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@米FOMC(7/26ー7/27)を控えたポジション調整(100bpの利上げ観測後退→ドル全面安)や、A対豪ドルでのドル売り圧力(RBA議事要旨のタカ派的な内容やブロックRBA副総裁によるタカ派的な発言を材料に豪ドルが急伸)、B対ユーロでのドル売り圧力(パリティ割れ達成後の大規模ショートカバー→ユーロドルが大幅続伸)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値137.38まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C米主要株価指数の大幅上昇(米ダウ平均株価は一時770ドル超の急上昇→市場心理改善→クロス円上昇→ドル円連れ高)や、D米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは3%の大台を回復し一時3.02%まで上昇)、E日銀金融政策決定会合(7/20ー7/21)を控えたポジション調整(大規模金融緩和継続の思惑→日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/20午前5時15分現在)では、138.20前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表された米6月住宅着工件数および米6月建設許可件数は前月の数字を下回る冴えない結果となりましたが、ドル円相場の反応は限定的となりました。

19日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0120まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米FOMC(7/26ー7/27)を控えたポジション調整(100bpの利上げ観測後退→ドル全面安)や、A7/21に予定されているECB理事会での大幅利上げ観測再燃(今週のECB理事会で50bpの利上げがより真剣に検討されるとの一部報道)、B欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、C短期筋の大規模ショートカバーが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0269まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、Dイタリアを巡る政局不透明感の高まり(7/20の議会演説で同氏が再度辞意表明するとの思惑)や、E米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間7/20午前5時15分現在)では、1.0225前後まで押し返される展開となっております。尚、昨日は一部通信社より「ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン『ノルドストリーム1』が7/21に供給量を減らして再開する」との観測報道がなされたものの、ユーロドル相場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は7/14に記録した直近高値139.40(約23年10ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、昨日は一時137.38まで下げ幅を広げましたが、一巡後に再び138円台に値を戻すなど、底堅い動きとなりました。ダウンサイドに複数のサポートポイントが控えていること(昨日も137.36に位置する一目均衡表転換線がサポートとして確り機能)や、日足・週足・月足で強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(下値の堅さを再確認できたことから、今後は心理的節目140.00に向かって上値を伸ばす可能性あり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(100bp利上げ観測は後退するも、75bp利上げが100%織り込まれている他、9月FOMC以降の連続大幅利上げも織り込まれている状態)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(明日の日銀金融政策決定会合および黒田総裁記者会見では大規模金融緩和の継続が強調される見通し。7/24付けで、リフレ派の片岡剛士委員が退任し、反リフレ派と目される高田創氏が就任するも今回の会合では含まれず)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C米国によるドル高容認スタンス(米政府・米当局はインフレ抑制に繋がるドル高を当面の間容認する構え)、D上記Cを背景とした本邦のドル売り・円買い介入のやりづらさ(円売り抑制手段の乏しさ)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています(米株が持ち直しつつあることも、リスク選好の円売りを通じてドル円をサポート)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米6月中古住宅販売件数、米20年債入札などが予定されておりますが、明日7/21に日銀金融政策決定会合やECB理事会、ノルドストリーム1の定期点検終了などの重要イベントが控えているため(様子見ムードが根強く)、本日のドル円は底堅く推移しつつも、値幅は限られたものに留まりそうです(※本日は5・10日となるため、公表相場決定にかけてのドル不足には要注意)。

本日の予想レンジ:137.75ー138.75

ドル円、下落後に持ち直す展開。米株と米金利のダブル上昇がドル円の支え

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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