ドル円134円台、日銀の長期国債買い入れ増額通知で昼過ぎに一時急伸
14日午前の東京市場でドル円は134円台前半中心の方向感の定まらない動き。朝方、134.45レベルで取引の始まったドル円は、早々に134.52まで上げたものの続かず反落。昨晩一時3.43%まで上昇した米10年物国債利回りが、9時台に3.35-3.39%台でもみ合うと、ドル円は一時133.87まで値を下げる場面もありました。その後は再び134円台前半に戻して方向感を失った形となり、東京時間正午現在は134.24レベルで取引されています。尚、日銀は昼過ぎに15日の長期国債買い入れを追加・増額すると発表、これを受けてドル円が一時134.82まで急上昇する場面がありました。
日経平均株価は、米国の金融引き締め加速懸念から昨晩欧米株価が大きく下げた流れを受けて、売りが先行。全業種で下げて、下げ幅は一時600円を超えました。その後はやや買い戻されたものの戻りは鈍く、540円の大幅安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、東京時間の135円台到達後に黒田日銀総裁が参議院の決算委員会で「最近の急激な円安進行は経済にとってマイナスで望ましくない」と発言したことや、欧米株の大幅安を受けて、円の買戻しが進み、米国時間にドル円は一時133.59まで下押しする場面もありました。しかし、その後米長期金利が急上昇したことから、ドル円も134円台半ばまで買い戻されて東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨日からの上げ一服で5/30からの急激な上昇トレンドラインを割り込んだ形となりました。昨日、高値135.19(ブルームバーグ、ロイターでは135.22)をつけて、2002年1月高値135.15を超え1998年10月以来23年8か月ぶり高値を更新したことで、一定の達成感が得られたこと、黒田日銀総裁の円安許容姿勢が135円台乗せとともに変化したこと、ここから先のターゲットは1998年8月高値147.66となりまだ距離があること等から、水準的にも、時間的にも一旦は調整が入る可能性が高いものと思われます。
ただ、中銀や財務省関係者がいくら口先介入しても、あるいは可能性は低いながら実際に為替市場介入を行ったとしても、長期のファンダメンタルズの動きから生じる為替の動きを阻止することがほぼ不可能であることは、ここ30年何度も証明されてきています。一旦現在予想しうる日米金利差拡大は、この水準までで織り込んだとしても、さらなる米国のインフレ加速や長期化等が生じる場合には、調整終了後に147円台を目指す動きとなる可能性は全く否定できません。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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