「130円」が上値メドに、ただ目先は調整か( 4/20夕)

20日の東京市場は乱高下。一時129.40円レベルまで上昇し、連日で年初来高値を更新したものの勢い続かず、そののち急反落となった。

 「130円」が上値メドに、ただ目先は調整か( 4/20夕)

「130円」が上値メドに、ただ目先は調整か

〇本日のドル円、一時129.40まで続伸するが反落、130円前に調整の動き優勢
〇日米金利差・貿易収支悪化が円安要因、市場筋は本邦政府の政策行動催促か
〇21日予定の日米財務相会談注視、ポジション調整の動き加速する可能性も
〇本日は米3月中古住宅販売件数、米地区連銀経済報告公表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.80-129.30、129.40の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は128.05-10が目先のサポート

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は乱高下。一時129.40円レベルまで上昇し、連日で年初来高値を更新したものの勢い続かず、そののち急反落となった。

前日NY終盤の流れを継ぎ、ドル/円は128.90円レベルで寄り付いたのち、上値を試す展開。円は対ドルだけでなく、ユーロやポンドなどのクロスでも全面安推移となった。ドル/円は前日超えられなかった129円を超え、一時129.40円レベルに。しかし130円を前に上げ渋ると、一転して調整の動きが優勢に。128円前半まで1円を超える急落をたどるなど、なかなか激しい乱高下。16時現在では再びドルが小戻した128.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ラブロフ外相が「ウクライナでの特別軍事作戦は新たな段階が始まった」と述べるなか、一部地域で実際に戦闘が激化。そうしたなか、欧州当局者からは「マリウポリは数日で陥落し、ロシア軍の手に落ちる恐れ」との発言が聞かれていたようだ。なお、バイデン米大統領の呼びかけで、G7首脳らがウクライナ侵攻をめぐるオンライン会合を開き、「攻防激化が懸念」されるとともに、ウクライナへの迅速な支援が共通の責務との認識で一致したという。
対して後者は、いよいよ130円台も視界内に捉えられるなか、引き続き本邦要人からの口先介入が幾つか観測されていた。たとえば、磯崎官房副長官からは「市場の動向、緊張感を持って注視する」、岸田首相による「急激な円安には懸念を持ちながら政府としてしっかり対応」との発言が確認されている。しかし、昨日までと比べるとかなり淡白な内容。それが逆に一部市場筋のあいだでは思惑を呼ぶ格好になっていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、前述したように本日東京時間に129.40円レベルまで大幅続伸。中期的な上値メドとして考えられていた「130円」まであと数十ポイントで、いよいよ現実的なターゲットとして意識されてきた感を否めない。リスクは間違いなくドル高方向で、このあとさらなるドル高・円安の進行を見込む声も聞かれるが、21日に予定される「日米財務相会談」を見極めたいとの声もあり、やや上げ渋る展開を予想する声も聞かれていた。
「日米の金利差」と「日本の貿易収支悪化」の2つが主な円安要因として指摘されるなか、市場筋からは日本政府に対して具体的な政策行動を催促する相場となっているようだ。そうした意味で、前段で取り上げた21日の「日米財務相会談」にまずは注目。どこまで突っ込んだ議論がなされ、そして決定事項がくだされるのか疑問もあるものの、それでも米国サイドから「ドル高進行スピードが速すぎる」といった程度の発言でも出れば、ポジション調整の動きが一気に加速する可能性もある。

テクニカルに見た場合、軽い青天井状態となっているドル/円相場は続伸が続く。本日まで4日連続のドルは高値更新だ。東京高値の129.40円レベルを超えれば、再び130円が意識されることは間違いない。
しかし、先月末安値121.28円を起点としても3週間で8円強もの上昇をたどるなど、ポジションはさすがに偏っている。130円トライ前の調整的な動きにも、一応注意しておきたいところだ。

材料的に見た場合、中長期的には商務相が経済活動よりも「ゼロコロナ政策の堅持」を意識し話題となっている「中国情勢」。症状は軽いとされるがフィンランド大統領の感染が伝えられた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月の中古住宅販売件数が発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も予定されている。そのほか米財務省による20年債入札、アトランタ連銀総裁などによる講演や、G7財務相・中銀総裁会議など注目要因が多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.80-129.30円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の129.40円の攻防に注目。可能性は低いとみているが、抜けたのち勢いつけば一気に130円トライも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の128.05-10円が目先のサポート。割り込んでも底堅いイメージながら、これまで積み上げてきたポジションからすると、なし崩し的なドル安進行にも一応要注意だ。

「130円」が上値メドに、ただ目先は調整か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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