ドル円、日米金融政策格差で大幅続伸。心理的節目130円台が射程圏内に(4/20朝)

19日(火)のドル円相場は大幅続伸。

ドル円、日米金融政策格差で大幅続伸。心理的節目130円台が射程圏内に(4/20朝)

ドル円、日米金融政策格差で大幅続伸。心理的節目130円台が射程圏内に

〇ドル円、米長期金利の上昇継続と地政学リスク、株価の堅調に米国時間に128.98まで急伸
〇ユーロドルアジア時間に1.0761まで下げるも株価上昇に1.0813まで上昇
〇ドル円テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズもドル円サポート材料揃う
〇引き続きドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオ、押し目待ちに押し目なしの相場展開を予想
〇本日の予想レンジ:128.00ー130.00

海外時間のレビュー

19日(火)のドル円相場は大幅続伸。@日米金融政策の方向性の違いや、A米金利上昇に伴うドル高圧力(セントルイス連銀ブラード総裁は前日海外時間に「基本シナリオではないが75bpの利上げを排除しない」と発言→米10年債利回りは2018年12月以来、約3年4カ月ぶり高水準となる2.94%へ急上昇)、Bロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(有事のドル買い)、C原油先物価格上昇に伴う円売り圧力(貿易赤字の拡大懸念)、D国内勢による実需のドル買い・円売り、Eオプション勢によるショートガンマ操作(スポットが上がれば上がるほどデルタショートが出てくるポジショニング→断続的なロスカットを誘発)、

F短期筋のショートカバー(鈴木財務相や松野官房長官より円安牽制発言が見られるも反応は限定的→押し目の弱さを嫌気した短期筋のロスカット)、G米主要株価指数の堅調推移、Hシカゴ連銀エバンズ総裁による「中立金利以上の利上げが必要になる」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、2002年5月以来、約20年ぶり高値となる128.98まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/20午前5時30分現在)では、128.88前後で推移しております。

19日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まりや、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感、B米金利上昇に伴うドル高圧力が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.0761まで下落しました。しかし、4/14に記録した約2年ぶり安値1.0758まであと一歩のところで下げ渋ると、Cイースターマンデー明け欧州勢の買い戻し(ショートカバー)や、D米主要株価指数上昇に伴うリスク選好のクロス円買い(ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0813まで反発する場面も見られました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて再び反落し、本稿執筆時点(日本時間4/20午前5時30分現在)では、1.0790前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は心理的節目127.00や128.00を一気に突破し、約20年ぶり高値となる128.98まで急伸しました。下位足(60分足や240分足)から上位足(日足や週足、月足など)に至る全てのテナーで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーなど)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(円独歩安)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(5/3ー5/4・FOMCや、6/14ー6/15・FOMCや、7/26ー7/27・FOMCでの連続50bp利上げ観測や早期バランスシート圧縮観測)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(本邦当局者による円安牽制発言は効果なし→更なる円安)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差急拡大→ドル買い・円売り)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(有事のドル買い観測)、D上記Cを背景とした資源価格の急上昇(資源輸入国である日本の貿易赤字急拡大懸念→構造的な円売り圧力)、

E実需のドル買い・円売り(予想以上に急ピッチなドル高・円安を受けて本邦輸入企業によるドル買い加速)など、ドル円相場のアップサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はサンフランシスコ連銀デイリー総裁や、シカゴ連銀エバンズ総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁など米当局者発言に加えて、ベージュブックやG20財務相・中央銀行総裁会議が予定されております。

米当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ場合や、ベージュブックでインフレ昂進への警戒感が示される場合、G20にて最近のドル高や円安について触れられない場合(足元のドル高・円安を見て見ぬふりするコンセンサスが出来上がる場合)などには、米大幅利上げ観測再燃→米金利急上昇→米ドル高の経路と、世界的な円安容認観測→円独歩安の経路が組み合わさることで、ドル円が心理的節目130円の大台に向けて一気に急伸する恐れもあるため、本日もアップサイドリスクに注意を要する展開となりそうです(本日は5・10日でもあるため、日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル不足にも要注意。テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも需給的にもリスクはアップサイド。押し目待ちに押し目なしの相場展開を予想)。

本日の予想レンジ:128.00ー130.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米金融政策格差で大幅続伸。心理的節目130円台が射程圏内に

ドル円日足

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