ドル円、高値圏で一進一退。日米名目金利差拡大がドル買い・円売りの背景(4/8朝)

7日(木)のドル円相場は高値圏で一進一退。

ドル円、高値圏で一進一退。日米名目金利差拡大がドル買い・円売りの背景(4/8朝)

ドル円、高値圏で一進一退。日米名目金利差拡大がドル買い・円売りの背景

〇ドル円、米国時間にかけて高値124.01まで反発、底堅く推移
〇米新規失業保険申請件数の良好な結果、株式市場の堅調推移がドル円をサポート
〇ユーロドル欧州朝方1.0866まで下げるもECB議事要旨でのタカ派見解に一時1.09台前半回復
〇その後はロシア制裁強化の動き、米長期金利上昇で1.0872前後まで再び値を崩す展開
〇ドル円テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル買い円売り材料多い
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、4/6高値124.07突破で上昇勢いづくか
〇本日の予想レンジ:123.50ー124.50

海外時間のレビュー

7日(木)のドル円相場は高値圏で一進一退。@中国における新型コロナウイルスの感染拡大(主要都市でロックダウン措置継続)や、A日経平均株価の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値123.47まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B日米金融政策格差を背景としたドル高・円安(ハト派の急先鋒と見られていたブレイナードFRB理事がタカ派的なスタンスに転じたことに加えて、FOMC議事要旨でバランスシートの早期圧縮開始を示唆。

一方、日銀は金融緩和の長期化スタンスを明確にすると共に、昨日は野口日銀審議委員より「日本経済への円安のメリット・デメリットを比較すれば、プラス面の方が大きい」との円安容認発言あり。米10年債利回りは2019年3月以来となる2.66%まで急上昇)や、C米新規失業保険申請件数(結果16.6万件、予想20.0万件)の良好な結果(1968年11月以来の低水準を記録)、D株式市場の堅調推移が支援材料となり、米国時間にかけて、高値124.01まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/8午前5時00分現在)では、123.96前後で推移しております。

7日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(欧米諸国とロシアの対立激化の思惑)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感(ロシアと経済的な結びつきの強い欧州経済への下押し圧力)、B欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、3/8以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.0866まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C3/10開催分のECB議事要旨にて、「多くのメンバーが現在のインフレ率は非常に高いと認識している」「金融政策正常化に向けたさらなる措置が即座に必要となる」とのタカ派的な見解が示されたことや、D上記Cを背景とした欧州債利回りの急上昇、E短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国勢参入後に一時1.0939まで急伸する場面も見られました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、Fセントルイス連銀ブラード総裁による「金融当局は後手に回っている」との発言や、G対露制裁強化の思惑(米議会は昨日、ロシア・ベルラーシ両国との正常な貿易関係を打ち切る法案を可決)、H米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4/8午前5時00分現在)では、1.0872前後まで再び値を崩す展開となっております。

本日の見通し

ドル円は心理的節目124.00前後で底堅い動きが続いております。ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーが実現していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(比較的早期に3/28に記録した約6年7ヵ月ぶり高値125.11に到達するシナリオを想定)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜(ブレイナードFRB理事によるタカ派発言を切っ掛けに米長期金利が急上昇。昨日は2019年3月以来となる2.66%へ急上昇)や、A日銀による金融緩和の長期化観測(昨日は野口日銀審議委員が円安容認発言)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大→ドル買い・円売り)、

Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(欧米とロシアの対立激化→対露制裁の更なる強化→市場心理悪化→VIX指数上昇→有事のドル買い)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(本日は米経済指標や米当局者発言等の材料に乏しい中、米長期金利や米主要株価指数、コモディティ価格を睨みながらの神経質な展開を想定。4/6に記録した高値124.07を突破できれば、ドル高・円安の流れが勢いづく可能性あり)。

本日の予想レンジ:123.50ー124.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、高値圏で一進一退。日米名目金利差拡大がドル買い・円売りの背景

ドル円日足

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