ドル円、約6年1ヵ月ぶり高値圏へ続伸。心理的節目120.00突破が射程圏内(3/22朝)

週明け21日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、約6年1ヵ月ぶり高値圏へ続伸。心理的節目120.00突破が射程圏内(3/22朝)

ドル円、約6年1ヵ月ぶり高値圏へ続伸。心理的節目120.00突破が射程圏内

〇ドル円、米国時間午後にかけて、約6年1ヵ月ぶり高値となる119.50まで急伸
〇ロシア・ウクライナ停戦期待の後退、米長期金利急上昇等が背景
〇ユーロドル、地政学リスク再燃とFRB関係者の多寡は発言に安値1.1010まで下落
〇ドル円、主要テクニカルポイント上抜け、強い買いシグナルも点灯、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもFRBの一段のタカ派傾斜と日米金利差の拡大、地政学リスク等がドル円上昇材料
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:119.00ー120.00

海外時間のレビュー

週明け21日(月)のドル円相場は堅調な値動き。@ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まり(停戦期待の後退→有事のドル買い)や、AパウエルFRB議長による「1回の会合、もしくは複数の会合で政策金利を25bp以上引き上げる可能性あり」「必要に応じて50bpの利上げを実施する用意がある」「5月までにバランスシート縮小に着手する可能性がある」とのタカ派的な発言、Bリッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレ抑制を目的に政策金利を50bp引き上げることは可能」とのタカ派的な発言、C上記ABを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは2019年5月24日以来、約2年10ヶ月ぶり高水準となる2.31%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、2016年2月3日以来、約6年1ヵ月ぶり高値となる119.50まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/22午前5時00分現在)では119.47前後で推移しております。

週明け21日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まり(エネルギー価格反発→欧州経済のスタグフレーション懸念→ユーロ売りの経路と、地政学的リスク再燃→有事のドル買いの経路の組み合わせ)や、A米当局者によるタカ派的な発言(パウエルFRB議長およびリッチモンド連銀バーキン総裁によるタカ派的な発言)、B米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1010まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/22午前5時00分現在)では、1.1015前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/24に記録した年初来安値113.47をボトムに反発に転じると、昨日は約6年1ヵ月ぶり高値となる119.50(2016年2月3日以来)まで急伸しました。この間、ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「移動平均線のパーフェクトオーダー」「ボリンジャーバンドのバンドウォーク」の全てが成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの「強さ」が確認されます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによる一段のタカ派傾斜観測(先週発表された米FOMCで年内残り6回の利上げと早期バランスシート圧縮開始を示唆。また、セントルイス連銀ブラード総裁が今年中に3%超の政策金利水準に達するよう提言した他、パウエルFRB議長やウォラーFRB理事、リッチモンド連銀バーキン総裁が相次いで今後数回の会合で50bpの利上げがあり得ると発言)、A黒田日銀総裁によるハト派的な発言(黒田総裁は先週の日銀金融政策決定会合後の記者会見で金融政策の長期化方針を維持した他、「円安が全体として日本経済にプラスとの構造は変わらない」と円安容認発言も実施)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(有事のドル買い圧力)、D原油価格の急上昇(昨日は原油先物価格が再び上昇→本邦の貿易赤字拡大懸念→円売り圧力)など、ドル高・円安基調の継続を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は欧州および米国の当局者発言(デギンドスECB副総裁、フランス中銀ビルロワドガロー総裁、パネッタECB理事、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、サンフランシスコ連銀デイリー総裁、クリーブランド連銀メスター総裁)に注目が集まります。ECB当局者やFRB当局者より金融引き締めに前向きなスタンスが報じられれば、欧米と日本の金融政策の方向性の違いを材料に、円独歩安の流れが一段と加速する恐れがあるため、本日海外時間帯はドル円・クロス円相場のアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう(ドル円が早期に心理的節目120.00の大台を突破する展開を想定)。

本日の予想レンジ:119.00ー120.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約6年1ヵ月ぶり高値圏へ続伸。心理的節目120.00突破が射程圏内

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