ドル高続くか、米株などの動きに注意(3/21夕)

週明け21日の東京市場はレンジ取引。新規材料に乏しいうえ、東京休場もあり積極的な動意は見送られている。

ドル高続くか、米株などの動きに注意(3/21夕)

ドル高続くか、米株などの動きに注意

〇本日のドル円、積極的動意欠ける、ドル底堅いが上値重く119.30前後で上げ渋り
〇先週末高値119.40示現、リスク引継ぎ上向きだが、調整の動き懸念の声も
〇本日は米欧中銀関係者による講演の他、米大統領と仏独伊英首脳電話会談との報道も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは118.70-119.60、年初来高値119.40をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は119円前後に弱いサポート

<< 東京市場の動き >>

週明け21日の東京市場はレンジ取引。新規材料に乏しいうえ、東京休場もあり積極的な動意は見送られている。

先週末は、国連安保理が開いた会合で「欧米諸国vsロシア」によるやりとりが観測されるなか、20日には北朝鮮が今度は「多連装短距離ロケット砲」と思しき物体を発射したと報じられていた。
そうした状況下、ドル/円は119.15円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。一度も119円を割り込まずドルは底堅いが、上値も重く119.30円前後では上げ渋りの様相となった。
一方、動きそのものはやはり鈍かったが、一部クロスを中心とした円売りは引き続き目立つ格好。実際、本日も豪ドル/円やNZドル/円、カナダ/円などが続伸し、先週更新した年初来高値を早くも更新している。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、金融市場関係者のあいだからは停戦交渉への合意期待が依然として高いなか、当のロシア国防省は「ウクライナ軍施設をミサイル攻撃した」と発表。また、極超音速ミサイル「キンジャル」の使用も明らかにしている。そうしたなか、国連安保理は会合を開き「ロシアは常任理事国としての特権を悪用している」と非難。さらに、ウクライナ国内で生物兵器が開発されているとのロシアの主張に対しても、西側諸国が「フェイクニュース」と非難していた。なお、それとは別にウクライナ大統領は、23日にフランス議会と日本の国会でも演説を実施することになったもようだ。

対して後者は、かつてのロシア擁護一辺倒姿勢は変化したものの、中国のロシア寄りスタンスは基本的に変わらず。たとえば、中国外務次官による「西側諸国の対ロシア制裁はますます理不尽になっている」との発言に続き、王外相も「一方的な制裁を強化すれば、世界的なサプライチェーンが断絶し各国の市民が打撃を受ける」とロシア制裁に反対の旨を述べていた。また、それとは別に中国軍が米ミサイル駆逐艦の台湾海峡通過に反発の姿勢を示すなど、ロシアを介さない米国との激しい鍔迫り合いも観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週末に119.40円のドル高値を示現。その起点を2月24日の114.40円だとしても、1ヵ月も経たないあいだに5円もドル高・円安が進行した計算だ。市場では少なくとも120円台を見ないと収まらないといった声も聞かれており、基本的なリスクは引き続き上向き。しかしながら、調整的な振り落としを懸念する声も高まりつつあるようだ。そろそろドルの高値掴みにも注意を払いたい。
先週実施された日米中銀の金融政策会合で、改めて米国は利上げに積極的であることが確認された反面、日本は利上げなど夢のまた夢だと再認識させられた。金利差が市場決定要因のすべてではないとは言え、やはりドル/円が大きく下落する展開は見込みにくいと言わざるを得ない。ただ、時間外で取引されていたNYダウなどがやや冴えない値動きをたどっただけに、このあと現物取引でそんな米株が崩れるようだとドル/円も短期的なポジション調整に押される可能性はありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクは上向きで、先週示現した119.40円、ならびにフィボナッチポイントにあたる119.50円の攻防にまずは注目。超えれば、いよいよ2016年2月以来の120円台乗せが現実味を増してくる。
しかし、以前より指摘しているようにポジションの偏りも顕著になっており、調整が先行すると予想する向きも存在する。ちなみに、前述したように過去1ヵ月弱のあいだだけで5円もドル高が進行している。本格調整となれば1-2円下落してもまったく不思議はないだろう。

材料的に見た場合、中長期的にはウクライナ情勢を介在し改めて米国との対立が鮮明化してきた「中国情勢」、クワッドという関係を結ぶなかインドの石油会社がロシア産原油の購入契約を結んだことが思惑を呼びそうな「エネルギー・穀物相場への懸念」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。

一方、本日は米経済指標として、2月のシカゴ連銀全米活動指数が発表されるほか、ラガルドECB総裁やパウエルFRB議長など、米欧の中銀関係者による講演が相次ぐ。また、日本時間22日午前0時からバイデン米大統領が「仏独伊英首脳と電話会談を行う」とも伝えられている。こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは118.70-119.60円。年初来高値119.40円そして119.50円をめぐる攻防にまずは注目。抜けると120円を目指す。
対するドル安・円高方向は、119円前後に弱いサポートあり。割り込んでもサポートは多いが、一旦下げ始めるとなかなか大きな下押しも。

ドル高続くか、米株などの動きに注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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