ドル円、堅調推移が継続中。米10年債利回りは2019年11月以来の高水準へ
〇ドル円、株価の堅調、米長期金利の上昇受け米国時間にかけて一時115.64まで上昇
〇ユーロドル、ウクライナ情勢緊迫化と米長期金利上昇に欧州朝方にかけて、安値1.1396まで反落
〇市場の焦点次回3月FOMCでの利上げ幅にシフト、0.5%利上げ予想増える
〇ドル円はファンダメンタルズ面、テクニカル面共にドル円相場の続伸を示唆
〇本日FRB当局者の発言注意
〇本日の予想レンジ:115.00ー116.00
海外時間のレビュー
8日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値115.06まで下げ幅を広げるも、前日安値114.92をバックに下げ渋ると、@株式市場の底堅い動き(リスク選好の円売り)や、A米金利上昇に伴うドル高圧力(米早期大幅利上げ観測再燃→米10年債利回りは2019年11月以来となる1.97%へ急上昇)、B2/10に予定されている米1月消費者物価指数を控えた警戒感が支援材料となり、米国時間にかけて、高値115.64まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/9午前5時00分現在)では、115.55前後で推移しております。
8日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.1449まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと(2/4高値1.1485や2/7高値1.1469をバックに戻り売り圧力が強まると)、@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まり(ロシア軍・ウクライナ軍が各々軍事演習を実施)や、A米金利上昇に伴うドル高圧力、B2/10に予定されている米1月消費者物価指数を控えた警戒感が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1396まで反落しました。米国勢参入後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/9午前5時00分現在)では、1.1415前後で推移しております。尚、昨日はフランス中銀ビルロワドガロー総裁より「フランスのインフレ率は向こう数カ月にかけて徐々に低下していく」「インフレ率を目標とする2%近辺に戻すために、ECBと仏中銀があらゆる手段を尽くす」「ECBに対する市場の反応は強すぎた」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
本日の見通し
先週末金曜日に発表された米1月非農業部門雇用者数(NFP)や平均時給が力強い結果を示したことで、市場では、米FRBが利上げやバランスシート縮小を急ぐとの見方が広がっています。焦点は次回FOMC(3/15ー16)における「利上げ幅」に移っており、足元では50bpの利上げを予想する向きも増えつつあります。この間、米10年債利回りは2019年11月以来となる1.97%へ急上昇し、ドル円は、「米タカ派傾斜観測再燃→米金利再上昇→日米金利差拡大」の経路で一時115.64まで急伸しました。ローソク足が主要チャートポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線など)を軒並み突破している点、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーが点灯している点なども考慮すると、ドル高・円安基調の継続が予想されます(ファンダメンタルズ面、テクニカル面共にドル円相場の続伸を示唆)。
尚、本日は日本時間深夜0:30に予定されているボウマンFRB理事講演と、同2:00に予定されているクリーブランド連銀メスター総裁講演に注目が集まります。先週末金曜日の米雇用統計の結果を踏まえて、両総裁よりタカ派的なコメントが見られれば、米金利上昇→米ドル高の経路で、1/4に記録した約5年ぶり高値116.36に向けて上値を伸ばすシナリオが想定されます(一方、市場の過度な織り込みを牽制する発言が見られたとしても、既に先週1週間で米当局者による火消し発言に対する耐性が出来ているため、米金利や米ドルの反応は限定的となる公算大)。本日海外時間帯はアップサイドリスクに注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:115.00ー116.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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