レンジ上限接近、ドル続伸するのかを注視(2/8夕)

8日の東京市場はドル堅調裡。「寄り付き安・大引け高」の様相で、一貫した右肩上がりをたどっていた。

レンジ上限接近、ドル続伸するのかを注視(2/8夕)

レンジ上限接近、ドル続伸するのかを注視

〇本日のドル円、夕方に掛け115円半ばを超え、直近高値115.68を視界内に捉えた動き
〇114.16-115.68レンジの上限超えが意識される、115.68超えれば116円台回復見込まれる
〇2/10発表の米消費者物価指数、レンジ放れのトリガーを引くといった見方も
〇本日、12月貿易収支発表・米財務省による3年債入札の予定、政治ファクターにも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-116.00、前回高値115.68の攻防に注目
〇ドル安円高方向は、弱いサポートである115.15-20がドルの下値支える

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場はドル堅調裡。「寄り付き安・大引け高」の様相で、一貫した右肩上がりをたどっていた。

ドル/円は、寄り付いた115.05-10円を日中安値に右肩上がり。夕方に掛けては115円半ばを超え、直近高値115.68円を視界内に捉えた動きをたどっている。米金利の上昇がドル買いを支援していた感を否めないが、それとは別に円売りも目に付き、後者はユーロ/円やポンド/円などのクロスでもおおむね弱含みの展開だった。16時現在、ドル/円は日中高値圏の115円半ばで推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、ウクライナをめぐる切迫した状況が依然として続いている。NATO事務総長から「東欧での防衛強化を検討している」旨の発言が聞かれたほか、「米政府代表団が週内に英国やフランスなどを訪問し、ロシア制裁をめぐり協議を行う」ことが明らかとなった。また、それとは別にドイツ外相がウクライナを訪問し同国外相と会談。そのなかで「ウクライナに対する揺るぎない支援」を確約した反面、仏露首脳が対面式の会談を行い、フランスのマクロン大統領は「戦争回避と信頼構築の意向を伝えた」とされるが、プーチン氏は「NATOはロシアを敵国と位置付けている」と述べるなど依然として溝は大きいようだ。

対して後者は、国境の封鎖から約2年、豪政府が新型コロナワクチン接種完了者を対象に、「今月21日から国境を再開する」と発表した。また、米国についても米紙WSJが「コロナ感染が急減、コロナ感染症と診断された人の死亡例も頭打ちになっている」などと報じていた。ただ、そうしたなか米国務省が、日本への渡航警戒レベルをもっとも高い「4」に引き上げ、米国民へ渡航を中止するよう勧告するなど、感染者高止まりの日本に対する警戒感が高まっている感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は依然として115.68円を上限としたレンジ内にとどまっているものの、再びその上限超えが意識されている。本日東京時間には115.50-55円まで上昇し、前記高値まであと15ポイント程度まで肉薄した。このまま続伸し、115.68円を超えていくことが出来るのか否かにまずは注目。ただ、現在形成中の114.16-115.68円といったレンジがしばらく続くといった見方のほか、一時的に上抜けても定着せず元のレンジにプルバックするといった声もある。
一時期後退した感もあった「米積極利上げ」見通しだが、先週末の米雇用統計の好数字を受けて再び勢いを増す展開。それを受け、米長期金利も上昇基調をたどると、本日東京では10年債利回りが1.94%台まで達してきた。「ウクライナ情勢」に関する要因が引き続き波乱要因としてくすぶるものの、米金利や米株が大きく崩れたりしない限り、ドルは基本的に底堅く推移する展開をたどりそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてレンジ取引。ただ、足もとの114.16-115.68円という1.5円レンジは早くも2週間近くとなっており、日柄的にもそろそろ保ち合い放れを警戒する声が聞かれ始めている。ちなみに、今週は10日に発表される米消費者物価指数がレンジ放れのトリガーを引く、といった見方をする向きもあるようだ。
いずれにしても、115.68円を超えれば116円台回復が見込まれる反面、底割れすれば113円台を目指す展開か。

材料的に見た場合、中長期的には台湾情勢をめぐり、またまた米国と一悶着ありそうな「中国情勢」、世界と比べ日本の対応の遅れが目に付く「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の貿易収支が発表されるほか、米財務省による3年債の入札が実施される見込みだ。また、イラン核合意再建をめぐり、英仏独中露とイランの合意当事国が「次官級の合同委員会」を開くとされるうえ、ウクライナ情勢についても注目度の高い外交イベントが実施される予定。政治ファクターにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-116.00円。本日東京で示現した115.55円レベル、そして前回高値115.68円などの攻防にまずは注目。しっかり上抜ければ116円台回復も否定できない。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートとなっている115.15-20円が目先はドルの下値を支えそうだ。下回ると115円前後、さらには移動平均の21日線も近い114.70-80円を目指す。

レンジ上限接近、ドル続伸するのかを注視

ドル円日足


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