ドル円、安値圏から持ち直す動き。タカ派なラガルドECB総裁発言でユーロは急伸
〇ドル円、米長期金利の上昇等に米国時間にかけ114.97まで上昇、堅調に推移
〇ユーロドル、1/14以来の高値となる1.1451まで急伸
〇ECB理事会後のラガルド総裁のインフレ警戒発言がサポート
〇ドル円、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつある
〇ファンダメンタルズ的に見ても、コア材料として日米金融政策の明確な違い残る
〇日米金利差拡大に伴うドル高・円安基調は今後も続くと予想
〇本日の米雇用統計、市場の目線は既に下がっており、ポジティブサプライズに注意が必要
〇本日の予想レンジ:114.50ー115.50
海外時間のレビュー
3日(木)のドル円相場は堅調な値動き。前日海外時間には約1週間ぶり安値となる114.15まで下げ幅を広げるも(米当局者によるハト派的な発言や米1月ADP雇用統計のネガティブサプライズが主因)、一巡後に下げ渋ると、@若田部日銀副総裁による「金融政策の修正は全く考えていない」「必要ならば躊躇なく追加緩和を行う」「経済の下振れリスクが強まれば利下げもあり得る」とのハト派的な発言や、A上記@を背景とした日米金利差拡大観測、B米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは1.75%から1.84%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値114.97まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/4午前4時45分現在)では、114.94前後で推移しております。
3日(木)のユーロドル相場は急上昇。米国時間朝方にかけて、安値1.1269まで下げ幅を広げるも、注目されたECB理事会にてラガルド総裁が、@「インフレ見通しは上振れ方向に傾いている」「インフレは予想より長く高止まりが続く」とインフレに対する警戒感を滲ませたことや、A2022年中の利上げの可能性について、従来までの「可能性は低い」との見解から「条件が整わない限り約束はできない」との言及に変化させたこと、B上記@Aを背景にECBのタカ派傾斜観測が高まったこと(欧州債利回り急上昇→ユーロ急伸)、C短期筋の大規模ショートカバーが誘発されたこと等が支援材料となり、米国時間午後にかけて、1/14以来の高値となる1.1451まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/4午前4時45分現在)では、1.1431前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は2/2に記録した約1週間ぶり安値114.15をボトムに反発に転じると、昨日は一時114.97まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線及び基準線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けした他、強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。ファンダメンタルズ的に見ても、コア材料として日米金融政策の明確な違い(金融緩和の長期化を織り込み日本と、早期利上げ開始・早期QT着手を織り込む米国)が残っているため、日米金利差拡大に伴うドル高・円安基調は今後も続くと予想されます。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間22時30分に発表される米1月雇用統計に注目が集まります。2/2に発表された米ADP雇用統計が極めて弱い数字であったことから、本日の米雇用統計に対する市場の目線は既に下がっているため、本日は市場予想を上回るポジティブサプライズに注意が必要でしょう(米金利上昇に伴うドル買いと、米株上昇に伴う円売りの組み合わせに要警戒。115円を上抜けられれば、1/28に記録した直近高値115.69近辺まで一気に上伸する可能性あり)。
本日の予想レンジ:114.50ー115.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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