ドル円、先週の急落劇から持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目(1/18朝)

週明け17日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、先週の急落劇から持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目(1/18朝)

ドル円、先週の急落劇から持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目

〇ドル円、ここ数日のドル売りの反動から米国時間にかけて114.64まで上昇
〇株価の堅調、中国経済指標の良好な結果がサポート
〇ユーロドル、1.1392-1.1435レンジで方向感に欠ける動き
〇ドル円、一目均衡表の雲に下落阻まれ下落余地に乏しい
〇最近はFRB関係者から3月利上げへの地ならしと見られる発言も相次ぐ
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日は日銀金融政策決定会合(含む展望レポート)や黒田総裁記者会見に要注目
〇本日の予想レンジ:114.00ー115.00

海外時間のレビュー

週明け17日(月)のドル円相場は堅調な値動き。@ここ数日続いたドル売り・円買いの反動(自律反発)が見られたことや、A日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り圧力、B中国主要経済指標の良好な結果(中国第4四半期GDPおよび中国12月鉱工業生産が市場予想を上回る結果)、C中国人民銀行による約1年9ヵ月ぶりとなる中期貸出制度(MLF)の金利引き下げ(中国経済の下支え期待)、D株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、E米国祝日(キング牧師誕生日)を控えたポジション調整(米ドルショートポジションの巻き戻し)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値114.64まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、米市場休場(米株および米債市場休場)で動意薄となり、本稿執筆時点(日本時間1/18午前5時00分現在)では、114.58前後で推移しております。

週明け17日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける値動き。@株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)や、Aテクニカル的な地合いの強さ(ユーロドルは約2ヵ月に亘り続いた1.1200ー1.1400のコアレンジを1/12に上方ブレイク。チャート的に押し目買いが出易い形状)、BECBによる金融緩和スタンスの後退観測(先週はデギンドスECB副総裁などからユーロ圏のインフレに警戒を示す発言が増加。また、本年3月に終了する予定のパンデミック緊急資産購入プログラムの資産購入額が今年から減少していることも、緩和スタンスの転換を意識せせる材料→ユーロのショートカバーを誘発)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1435まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C米金融政策の早期正常化観測が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1392まで反落しました。もっとも、その後は米国祝日で動意薄となり、本稿執筆時点(日本時間1/18午前5時00分現在)では、1.1405前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日に一時113.48まで急落するも、一目均衡表雲上限に続落を阻まれる形で、週明け1/17には一時114.64まで急伸しました。強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダーが継続している他、ダウ理論の上昇トレンドも成立するなど、テクニカル的に見て、下値余地は乏しいと判断できます(先週の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整と整理。昨年11/30に記録した直近安値112.53を下回らない限り、buy on dip継続方針)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、米金融政策における早期正常化観測や、それに伴う日米金融政策格差など、ドル買い・円売りを連想させる材料が揃っています。事実、先週は複数の米当局者から「3月利上げ」の地均しを示唆する発言が相次ぎました。今週は既にブラックアウト期間に突入しているため、米当局者発言は予定されておらず、1/25ー1/26に開催される米FOMCに向けて、米早期正常化を織り込む動き(米金利上昇→米ドル高の波及経路)が続きそうです。

以上を踏まえ、当方で引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日銀金融政策決定会合(含む展望レポート)や黒田総裁記者会見に注目が集まります。ロイター通信は先週末金曜日に「日銀はインフレ2%目標の達成前に利上げを開始できるか議論している」との観測記事を報じました。この為、市場では俄かに、展望レポートにおける物価上昇率見通しの大幅上方修正(含む物価のリスク評価に関する文言変更)や、黒田総裁によるサプライズ的なタカ派発言を警戒する向きが増えつつあります。

しかし、現実的に見れば、このタイミングで日銀が金融政策脱却を滲ませる蓋然性は乏しく、物価上昇率見通しは小幅な上昇に留められると共に、黒田総裁からもサプライズ的な発言は出てこないと考えられます(金融市場にマイナスの影響を与えぬようバランスの取れた結果になると予想。先週末金曜日のロイター通信の報道の火消しが行われる公算大)。よって、本日は日銀金融政策関連イベント通過後のアップサイドリスクに警戒が必要でしょう(日銀による金融政策正常化観測後退→ドル円ショートの巻き戻し→ドル円上昇の波及経路に要警戒)。

本日の予想レンジ:114.00ー115.00

ドル円、先週の急落劇から持ち直す展開。本日は日銀金融政策決定会合に注目

ドル円日足

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