ドル円、リスクオフ継続で冴えない動き。米株安・米債安・米ドル安のトリプル安に(1/11朝)

週明け10日(月)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、リスクオフ継続で冴えない動き。米株安・米債安・米ドル安のトリプル安に(1/11朝)

ドル円、リスクオフ継続で冴えない動き。米株安・米債安・米ドル安のトリプル安に

〇ドル円、米国時間にかけ一時115.06まで急落
〇先週末雇用統計悪化からのドル売りの流れ、利上げ警戒感からのリスクアセット下落等が背景
〇ユーロドル、米金利上昇、株価下落に1.1285まで下落するも引けにかけ1.1322まで持ち直す
〇ドル円、リスク回避の円買い回復するも、テクニカルなサポート多く下値余地は限定的か
〇業績回復相場の中、株価下落は長期化しにくくファンダメンタルズも、ドル円反発リスクに注意必要
〇本日、パウエルFRB議長の再任指名承認公聴会に要注目
〇本日の予想レンジ:114.80ー115.80

海外時間のレビュー

週明け10日(月)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値115.86まで上値を伸ばすも、買い一巡後に伸び悩むと、@先週末金曜日の米雇用統計後のドル売りの流れ(米非農業部門雇用者数が市場予想を下回る結果)や、A米早期利上げ観測に端を発したリスクアセット暴落への警戒感(米金利急上昇→リスクアセット下落→リスク回避の円買い圧力)、Bウクライナを巡る地政学的リスク(今週前半に集中している米露2国間協議、北大西洋条約機構会合、欧州安全保障協力機構協議を控えた警戒感)、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り、D中国恒大集団を巡る先行き不透明感(広東省深セン市の本社ビルから恒大集団の看板が撤去されたとの観測報道)などが重石となり、米国時間にかけて、安値115.06まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/11午前5時00分現在)では、115.20前後で推移しております

週明け10日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.1361まで上値を伸ばすも、@欧州圏における新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大懸念や、A欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力(米10年債利回りが一時1.80%台まで急上昇)、B株式市場の軟調推移(リスク回避のドル買い・円買い)、Cウクライナを巡る地政学的リスク(重要イベントを控えた警戒感)が重石となり、米国時間にかけて、安値1.1285まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間1/11午前5時00分現在)では、1.1322前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏1月投資家センチメント指数(結果14.9、前月13.5)は良好な結果を示しましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時115.06まで下げ幅を広げるなど、上値の重い展開が続いております。先週発表された米FOMC議事要旨のタカ派的な結果をトリガーに、米早期利上げ観測→米金利急上昇→リスクアセット急落→リスク回避の円買い再燃の経路が復活したことが背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートラインを控えていることや、強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーが続いていること等を踏まえると、下値余地は限定的と判断できます(余程強いドル売り・円買い材料が出てこない限り、ここからの更なる下落は容易では無い。足元の下落はあくまで急ピッチな上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整)。

ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り(バーキン米リッチモンド連銀総裁は昨日、「3月利上げ開始はあり得る」と発言。米10年債利回りは約2年ぶり高水準となる1.80%台へ急上昇。米ゴールドマン・サックスは、年内4回の利上げに加えて、遅くとも7月に償還に伴う保有資産の減少を開始すると予想)や、新型コロナウイルス終了後の景気回復期待(過度な悲観論の後退)が揃っているため、一巡後の反発リスクに注意が必要と考えられます(株式市場は既に業績相場に移行しつつあるため、米金利上昇→企業業績悪化→株式市場下落→リスク回避の円買いといったシンプルな経路は長期化しづらい)。

こうした中、本日はクリーブランド連銀メスター総裁や、カンザスシティ連銀ジョージ総裁、パウエルFRB議長(再任指名承認公聴会)、セントルイス連銀ブラード総裁などの米当局者発言に注目が集まります(特にパウエルFRB議長の米上院銀行委員会での証言に注目。インフレ抑制に積極的な姿勢が示されれば米金利に更なる上昇圧力が加わる恐れ)。米当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ場合には、直後こそ「米金利上昇→リスクアセット下落→リスク回避の円買い」での反応が警戒されるものの、一巡後は「米金利上昇→米ドル高」の経路で比較的早期に持ち直す展開が想定されます(乱高下の後に結局ドル高・円安に戻るシナリオを想定)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:114.80ー115.80

注:ポイント要約は編集部

ドル円、リスクオフ継続で冴えない動き。米株安・米債安・米ドル安のトリプル安に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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