ドル再上昇orレンジ形成!?先行き占う正念場(1/10夕)

週明け10日の東京市場はドルが小高い。レンジそのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

ドル再上昇orレンジ形成!?先行き占う正念場(1/10夕)

ドル再上昇orレンジ形成!?先行き占う正念場

〇本日のドル円、日中高値115.85レベルまで緩やかな右肩上がり、16時現在ドル高値圏維持
〇本日は米露首脳による「戦略的安定対話」、米11月卸売売上高発表予定
〇今週11〜12日はパウエルFRB議長ら指名公聴会予定、金融政策に関する発言注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.30-116.20、116円前後が目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は115.52をめぐる攻防に注目、割り込んでも下値は堅い

<< 東京市場の動き >>

週明け10日の東京市場はドルが小高い。レンジそのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

先週末は、引き続き欧州を中心とした新型コロナの感染拡大が取り沙汰されたほか、10日から始まる米露首脳による「戦略的安定対話」を前にした高官同士の事前協議が行われ、そちらが一部で話題となっていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた115円半ばを日中安値にじり高推移。東京休場のなか新規材料難もあり、形成レンジは30ポイント強にとどまったが、日中高値である115.85円レベルまで緩やかな右肩上がりをたどっている。「寄り付き安・大引け高」の様相で、16時現在でもそのままドルは高値圏を維持し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米露協議」について。
前者は、症状はいずれも軽いとされるが、スウェーデン王子やオーストリー首相、豪財務相−−といった各国要人のコロナ罹患が伝えられ思惑を呼ぶ。また感染拡大は引き続き欧州が中心ではあるものの、アジアにおいても「インドで24時間の感染者が15万人迫る。不要不急の外出禁止」と発表されたうえ、北京オリンピック開催を1ヵ月後に控える中国では「天津で1400万人の全市民へのPCR検査開始」と驚きの報道が観測されていた。そうしたなか、日本は岸田首相が医療逼迫の状況次第で、行動制限を検討する考えを表明していたようだ。

対して後者は、10日から始まる米露首脳による「戦略的安定対話」を前に、シャーマン米国務副長官とリャブコフ・ロシア外務次官による事前協議が行われている。そのなか、米国はウクライナ国境付近に軍部隊を集結させているロシア側を強くけん制。さらに、米国とロシアの双方が東欧での軍事演習やミサイル配備を制限することを提案する意向を明らかにしたという。いずれにしても、一連の米国の動きや提案について、ロシアサイドが果たして妥結の姿勢を見せるのか、本日10日の協議には注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週金曜日に発表された米雇用統計・非農業部門雇用者数の予想外の悪化を受け、ドル売りが進展したドル/円だが、本日アジアタイムは再びドル買い優勢。115円台後半まで値を戻す展開となっている。明確な方向性はハッキリせず、なかなか悩ましいところで、これまでの115.62-116.35円というレンジを、下方向にやや拡大した115.52-116.35円という新たなレンジ取引をたどるといった声も聞かれていた。
日米を中心とした金融政策が引き続き市場の注目要因。うち、米国については「2022年だけで3回の利上げ」が取り沙汰されているわけだが、そんな米金融政策に大きな影響を及ぼしかねないパウエルFRB議長と、ブレイナードFRB副議長の指名公聴会が11日と12日に上院銀行委員会で行われる見通しだ。そのなかで、急激な物価高への対応や、政策金利を引き上げる時期や回数など金融政策の見通しなどに如何に回答するのか、発言内容がいまから注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円の上値追いは4日の116.35円で一服した感があるものの、再びドル高へと向かうのか、それとも116円挟みのレンジ取引をたどるのか、今週の動きが正念場となりそうだ。目先高値116.35円を超えた場合には中期的なターゲットである118円台に向けたドル一段高を否定できない反面、本邦勢などのオファーが少し切り下がっており、上抜けることは容易でないとの指摘も聞かれている。

材料的に見た場合、中長期的には北京五輪開催に向けた「ゼロコロナ」というコロナ封じ込めに強力な体制をとりつつある「中国情勢」、沖縄県を中心に日本も対岸の火事ではなくなってきた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、11月の卸売売上高が発表されるものの、米通貨当局者らによる講演などは予定されておらず、やや材料に乏しい。ただ、先で取り上げた米露首脳による「戦略的安定対話」が行われる模様で、その内容には一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.30-116.20円。オファーが並び始めている116円前後が目先の抵抗で、抜けると前回高値116.35円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、先週示現したドル安値115.52円をめぐる攻防にまずは注目。ただ割り込んでも下値は堅そうで、115円割れは予想しにくい。

ドル再上昇orレンジ形成!?先行き占う正念場

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る