ドル円、株安を背景に高値圏から反落。リスク回避の円買いが重石に
〇ドル円、米国時間にかけ一時115.64まで反落、株価下落、ISM非製造業指数の不冴えが背景
〇ユーロドル好悪材料交錯し、引き続き1.13を挟んでのもみ合い
〇日米金利差拡大のドル買いか、過剰流動性逆流懸念からの円買いか市場の見方分かれる
〇株式市場は既に金融相場から業績相場に移行済みであると判断し、絶好の押し目機会と整理する
〇本日は日本時間22:30に予定されている米12月雇用統計に注目、アップサイドリスクに注意が必要
〇本日の予想レンジ:115.60ー116.60
海外時間のレビュー
6日(木)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値116.18まで上値を伸ばすも、@日本時間早朝に発表されたタカ派な米FOMC議事要旨(高インフレへの対応に向けて、予想より早期の利上げと、保有資産全体の縮小が必要になる可能性があるとの見解)を材料に、A米長期金利が急騰すると(米10年債利回りは昨年4/1以来、約9ヵ月ぶり高水準となる1.75%へ上昇)、B株式市場の急反落(金利急騰を嫌気する形で株式市場が大幅安。日経平均株価も一時800円を超える急落劇)や、C上記Bを背景としたリスク回避の円買い圧力、D米12月ISM非製造業景況指数(結果62.0、予想66.9)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて、安値115.64まで反落しました。もっとも、前日安値115.63をバックに下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間1/7午前4時50分現在)では、115.90前後で推移しております。
6日(木)のユーロドル相場は方向感に欠ける値動き。@欧州圏における新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大懸念や、A欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力、B株式市場の軟調推移、C上記Bを背景としたリスク回避のドル買い圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1285まで下落しました。しかし、前日安値1.1277や、一昨日の安値1.1272をバックに下げ渋ると、Dユーロ圏11月生産者物価指数(結果23.7%、予想22.9%、※前年同月比)及び、Eドイツ12月消費者物価指数(結果5.3%、予想5.1%、※前年同月比)の伸び率加速が支援材料となり、米国時間にかけて、一時1.1332まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間1/7午前4時50分現在)では、1.1290前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時115.64まで下落するなど、高値圏から反落する動きとなりました。注目された米FOMC議事要旨がタカ派な結果となったことで、初期反応は「米金利上昇→米ドル買い→ドル円上昇」に繋がりましたが、一巡後は、「米金利上昇→米ドル買い→金利上昇を嫌気した株式市場の急落→リスク回避の円買い」の経路でドル円には強い下押し圧力が加わる展開となりました。市場では、「米早期利上げ観測→日米金利差拡大→ドル円上昇」の経路で進むのか、「米早期利上げ観測→過剰流動性相場逆流懸念→ドル円下落」の経路で進むのか、見方が二つに分かれていますが、当方では引き続き、前者の見方を維持しております(株式市場は既に金融相場から業績相場に移行済みであると判断しているため、米金利上昇でドル円が反落する場面は絶好の押し目機会と整理)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間22:30に予定されている米12月雇用統計に注目が集まります。良好な雇用情勢(非農業部門雇用者数の増加と失業率低下の組み合わせ)が示されれば、米早期利上げ観測を通じた米金利上昇→米ドル高の流れと、米経済回復期待を背景とした米株高→リスク選好の円売りが組み合わさるため、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。本日海外時間はアップサイドリスクに注意が必要でしょう(本年1/4に記録した高値116.36を上抜けるシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:115.60ー116.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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