ドル円見通し 年明けは米国株高・長期債利回り上昇で開始、ドル円は昨年来最高値近辺(22/1/4)

ドル円は株高によるリスク選好感と米長期債利回り上昇による日米金利差を意識して年末の水準から一段高に入っている。

ドル円見通し 年明けは米国株高・長期債利回り上昇で開始、ドル円は昨年来最高値近辺(22/1/4)

ドル円見通し 年明けは米国株高・長期債利回り上昇で開始、ドル円は昨年来最高値近辺

旧年中のご愛読、ありがとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


〇ドル円、1/3午後115.36へ上昇、夜に114.94まで下げるも買い戻され、深夜ふたたび115.36をつける
〇NYダウは246.76ドル高、終値ベースで史上最高値更新、ナスダックは187.83ポイント高
〇株買い債券売りにより米長期債利回り上昇、ドル円は年末の水準から一段高
〇感染拡大続くも、パンデミック初期のようなパニックやリセッション入りは回避されている状況
〇ドル円、11/24高値115.51に迫る、昨年1/6安値からの上昇も1年を経過し高値追及へ進みやすい環境か
〇114.94以上での推移中は上昇余地ありとし、115.50超えからは116試しへ向かう流れとみる
〇114.94割れからはいったん仕切り直しの下落期に入るとみて、114.50前後への下落を想定する

【概況】

ドル円は1月3日午後に115.36円へ上昇して11月30日安値112.52円以降の高値を更新、夜にいったん114.94円まで下げるも買い戻されて深夜には115.36円の同値をつけ、その後も115.30円を挟んで高値圏を維持して4日午前序盤へ進んでいる。
世界的なオミクロン株による感染拡大が急激に進んでいるものの2020年2月後半のパンデミック初期のようなパニックとリセッション入りは回避されて景気回復は継続するとの見方が強まっており、NYダウは年末の2日間を下落していたものの年明けの3日には終値ベースで史上最高値を更新、株買い債券売りで米長期債利回りが上昇、ドル円は株高によるリスク選好感と米長期債利回り上昇による日米金利差を意識して年末の水準から一段高に入っている。

【株買い債券売りで米長期債利回り上昇、ドル全面高】

1月3日のNYダウは先週末比246.76ドル高と上昇、12月30日に付けた取引時間中の史上最高値36679.44ドルには届かなかったものの終値ベースでは3日ぶりに史上最高値を更新した。ナスダック総合指数も年末にかけて4日間の続落だったところから3日は187.83ポイント高と反騰で開始した。
世界全体の新型コロナウイルスによる新規感染者数は12月30日に180万人を突破して8月ピーク時の約90万人から倍増している。欧米の感染拡大も爆発的な勢いにあるが、パンデミック初期のような厳しい規制や心理的なパニック、医療機関の混乱等は発生しておらず、新年を迎えるNYタイムズスクエアは群衆でにぎわった。デルタ株よりも感染力が強いものの重症化率は低いとの認識が広がっているため、インフレを伴いつつ景気回復は進むとの先行きへの楽観が株高に反映しており、感染関連で悪いニュースが出て下げた場合も押し目買いされやすい展開となっている。

株買い債券売りにより米長期債利回りは上昇しているが、1月3日は米10年債利回りが先週末比で0.12%上昇の1.63%、30年債利回りが0.12%上昇の2.03%となり昨年11月下旬以来の2%台を回復した。2年債利回りも0.04%上昇の0.77%を付けて2020年3月以来の水準へ戻している。

【11月24日高値115.51円に迫る、2021年1月からの上昇も1年を経過】

ドル円は年明けの上昇で11月24日に付けた昨年1月6日安値102.57円以降の最高値に迫っている。
既に上昇も1年を経過したところだが、2016年12月以降の右肩下がりでの下降チャンネルから抜け出しており、2017年5月以降の壁であった115円をクリアしてきた状況にあるため、上値目途として2016年12月15日高値118.65円が意識され、円安継続論調においては120円台回復の可能性も取り沙汰されているため、投資家心理も高値追及へ進みやすい環境と思われる。
11月30日安値112.52円を起点として一段高を目指す流れのため、弱気転換には11月30日安値を割り込むような下落の発生が必要と思われ、多少突っ込んだところも買い拾われやすいと思われる。
感染拡大でも株高基調が継続すればインフレ対策として米連銀による3月の利上げ可能性も高まるところであり、今週末の米雇用統計等の主要指標が強めに出れば株高債券安・米長期債利回り上昇によりドル円も高値追及感を強めて116円台、117円台を試して行く可能性も出てくるところと考える。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、1月3日夜にいったん115円を割り込んでから切り返しているため、3日夜安値を直近のサイクルボトムとして新たに強気サイクル入りしていると思われる。高値形成期は3日午後高値を基準として6日午後から10日午後にかけての間と想定されるので1月3日夜安値割れを回避するうちは一段高余地ありとし、3日夜安値を割り込むところからは弱気サイクル入りとして6日夜から10日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月3日夜の反落時に先行スパンの下限を試してから切り返しており、4日午前序盤では遅行スパンの好転と先行スパンを上抜いた状況を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。弱気転換は3日夜安値割れからとし、その際は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月3日夜の反落時に40ポイントまで低下したところから50ポイント以上へ回復しているので上昇基調継続とみる。弱気転換は40ポイント割れからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、1月3日夜安値114.94円を下値支持線、115.50円を上値抵抗線とする。
(2)114.94円以上での推移中は上昇余地ありとし、115.50円超えからは116円試しへ向かう流れとみる。115.85円以上は反落注意とするが、115円台を維持しての推移なら5日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)114.94円割れからはいったん仕切り直しの下落期に入るとみて114.50円前後への下落を想定する。114.65円以下は反発注意とするが、115円以下での推移が続く場合は5日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1/4(火)
休場、NZ
OPECプラス閣僚級会合[オンライン]
10:45 (中) 12月 財新製造業PMI (11月 49.9、予想 50.0)
16:00 (独) 11月 小売売上高 前月比 (10月 -0.3%、予想 -0.5%)
16:00 (独) 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 -4.1%、予想 -3.5%)
17:55 (独) 12月 失業者数 前月比 (11月 -3.40万人、予想 -1.50万人)
17:55 (独) 12月 失業率 (11月 5.3%、予想 5.3%)
18:30 (英) 11月 消費者信用残高 (10月 7.0億ポンド、予想 8.0億ポンド)
18:30 (英) 11月 マネーサプライM4 前年同月比 (10月 7.0%)
18:30 (英) 12月 製造業PMI改定値 (速報 57.6、予想 57.6)
24:00 (米) 12月 ISM製造業景況指数 (11月 61.1、予想 60.2)

1/5(水)
08:50 (日) 12月 マネタリーベース 前年同月比 (11月 9.3%)
14:00 (日) 12月 消費者態度指数・一般世帯 (11月 39.2)
17:55 (独) 12月 サービス業PMI改定値 (速報 48.4、予想 48.4)
18:00 (欧) 12月 サービス業PMI改定値 (速報 53.3、予想 53.3)
22:15 (米) 12月 ADP非農業部門就業者数 前月比 (11月 53.4万人、予想 38.5万人)
23:45 (米) 12月 サービス業PMI改定値 (速報 57.5、予想 57.5)
24:30 (米) エネルギー省石油在庫統計
28:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)12月14-15日開催分議事要旨



注:ポイント要約は編集部

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