ドルは先週末高値更新、115.52円の攻防注視
<< 東京市場の動き >>
週明け3日の東京市場はドルが堅調裡。ドルは上値を試す展開で、年明け早々、先週末高値115.20円を超えている。
先週末は、世界の複数要人による年頭所感やメッセージが伝えられ、岸田首相からは「オミクロン株への感染拡大に対応」との意欲が伝えられたほか、「本格的に首脳外交をスタートさせる」と宣言も聞かれていた。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた115.00-05円を日中安値に緩やかな右肩上がり。東京などアジア時間の休場も多く商いは薄いなか、時間外取引のNYダウなどをにらみつつ、先週末高値の115.20円を超え、夕方には115.35円レベルまで上昇している。16時現在、ドル/円は日中高値圏の115.30-35円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、好悪入り混じった報道で、市場筋にも気迷いが。「好」の部分を指摘すれば、英保健安全保障庁は「オミクロン株の入院リスクはデルタ株の3分の1程度」とした分析結果を公表、弱毒性との見方を補強していた。対して「悪」の部分は、やはりその感染力の高さになる。フランス通信では、各国当局の発表に基づきまとめた統計をもとに、「欧州のコロナ感染が、累計で1億人突破」と報じ、一部で話題を集めていたようだ。
対して後者は、バイデン米大統領から、先月末の電話会談で露大統領に「大きな代償を支払わせる」とウクライナ侵攻に対して警告したことが明らかにされるなか、本日早朝にバイデン氏と、ウクライナのゼレンスキー大統領による電話会談が実施されている。なお、バイデン氏は会談のなかで、「ロシアがウクライナに侵攻すれば、同盟国とともに断固とした措置を取る」方針を伝えたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、年始相場で薄商いのなか本日アジア時間に続伸し直近高値を更新。ポジションの偏りを無視すればリスクは間違いなくドル高方向で、昨年高値115.52円もすでに現実的な上値メドとして捉えられている。ドルのさらなる続伸にも要注意。ただし、過去の経験則からすると年明け1月にドルは年間の安値あるいは高値を付けることが少なくなく、実際昨年は1月6日の102.60円が年間のドル最安値だった。そのあたりの情勢もしっかりと見極めたい。
いわゆる各国金利差に着目した場合、日本円を基本的に買い進めにくい環境に変化はなく、むしろ潜在的な円売り要因となっている感さえ否めない。事実、12月31日付の日経新聞では2021年の相場について「円は主要25通貨で最弱」と対ドルだけでなくクロスを含め、ほぼ全面安で推移したことを明らかにしている。本日もロンドンなど一部市場が休場になるなか、発表される米経済指標をにらみつつ、さらなる円安進行があるのかどうかに注目だ。
テクニカルに見た場合、昨年のドル/円はザックリ言って「年初安の年末高」。また、年明けの1月3日も、その流れを継ぎドルは続伸し堅調に推移している。昨年高値115.52円が次のテクニカルポイントで、超えると強い抵抗はしばらく存在しない。中期的なターゲットは118円台であり、一本調子ではないにせよ、さらなる高値トライに向けたドル高の動きが続く可能性を否定できないようだ。
材料的に見た場合、中長期的には、「習国家主席が天安門弾圧を称賛する発言を行っていた」と伝えられたことが、新たな問題となりそうな「中国情勢」、年末年始明けで世界的な感染拡大も懸念されている「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の製造業PMI確報や11月の建設支出が発表されるものの、材料的にはやや少なめ。ロンドンが引き続き休場となるうえ、バイデン氏など世界の要人も冬休み中の向きがまだ多く、講演などもとくには予定されていない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.90-115.60円。本日東京高値の115.35円レベルが最初の抵抗。超えれば115.52円が名実ともにターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、引き続き115円レベルがなかなかの強いサポートとなっているようで、攻防に注目。ただ割り込んでも114.70-80円などにサポートがあり、ドルは底堅いイメージだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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