ドル円、先週末金曜日のオーバーシュートから持ち直す展開
〇ドル円、アジア時間の安値113.00から米国時間にかけ113.96まで反発
〇米指標の好調、バイデン大統領発言等でオミクロン株への警戒感がやや和らいだこと等が背景
〇ユーロドル、1.1296まで上昇後ドル高圧力背景に伸び悩む
〇感謝祭明けの市場参加者は、オーバーシュートの反動で買い戻し優勢
〇オミクロン株に留意しつつも、引き続き、ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想
〇本日月末日、9:55の公表相場や、25:00のロンドンフィキシングに向けての特殊フローに注意
〇本日の予想レンジ:113.20ー114.20
海外時間のレビュー
週明け29日(月)のドル円相場は下落後に急反発。@南アフリカで検出された新たな新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)への警戒感を背景に、アジア時間午後にかけて、安値113.00(11/10以来、約3週間ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、一目均衡表雲上限をバックに下げ渋ると、A株式市場の持ち直し(上記@に係る過度な悲観論が後退→リスク回避の円買い後退)や、B米金利上昇を背景としたドル高圧力(米10年債利回りは先週末金曜日に記録した1.47%から1.56%へ急上昇)、C米10月住宅販売保留件数(結果7.5%、予想1.0%)の力強い結果が支援材料となり、米国時間にかけて、高値113.96まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/30午前5時00分現在)では、113.70前後で推移しております。尚、バイデン米大統領は昨日、「オミクロン株は懸念すべきものだがパニックを起こすべきものではない」「オミクロン株への十分な用意を整えている」「必要に応じてワクチン開発を加速する」と発言しました。
週明け29日(月)のユーロドル相場は上昇後に反落。米国時間朝方にかけて一時1.1296まで上値を伸ばすも、心理的節目1.1300をバックに伸び悩むと、@米金利上昇を背景としたドル高圧力や、Aスペイン中銀デコス総裁による「ユーロ圏の経済成長見通しに関するリスクは依然下向き」「ユーロ圏で来年あるいはそれ以降に利上げが実施される可能性は低い」とのハト派的な発言、Bドイツ11月消費者物価指数(結果5.2%、予想5.0%)の伸び率加速(※1992年6月以来の伸び率。ECBは金融緩和の長期化方針を維持している為、ユーロ圏におけるインフレ加速は実質金利の低下を通じてユーロに下押し圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1258まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/30午前5時00分現在)では、1.1275前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は南アフリカで検出されたオミクロン株を材料に、先週末金曜日にパニック的なリスクオフ(リスクアセット暴落→リスク回避の円買い)が発生しましたが、米感謝祭明けで市場参加者が戻ってきた週明け月曜日は、オーバーシュートの反動で全般的に持ち直す動きとなりました(リスクアセット反発→リスク選好の円売り)。テクニカル的にも、市場参加者に注目されていた一目均衡表雲上限(112.88)や、11/9安値(112.71)を死守できたことで、下値の堅さを再確認する結果となっております。
こうした中、本日は日本時間23:45に発表される米11月シカゴ購買部協会景気指数や、24:00の米11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、24:00のパウエルFRB議長とイエレン財務長官の上院銀行委員会証言、24:30のニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言、27:00のクラリダFRB副議長およびクリーブランド連銀メスター総裁発言などに注目が集まります。米経済指標が力強い結果を示す場合や、米当局者よりタカ派的なスタンスが示される場合には(オミクロン株に対する警戒感を示しつつも、米テーパリングペースの加速+米利上げ前倒しの可能性を排除しない場合には)、リスク選好の円売りと、米金利上昇を背景としたドル買い圧力の組み合わせで、ドル円がもう一段上昇する(先週末金曜日の下げ幅を取り戻す)展開が想定されます。オミクロン株に係るヘッドラインに留意しつつも、当方では引き続き、ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は月末日となりますので、9:55の本邦公表相場や、25:00のロンドンフィキシングに向けての特殊フローに注意が必要でしょう)。
本日の予想レンジ:113.20ー114.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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