ドル円、リスク回避ムード後退で急上昇。米株高と米金利上昇が支援材料(9/24朝)

23日(木)のドル円相場は急上昇。

ドル円、リスク回避ムード後退で急上昇。米株高と米金利上昇が支援材料(9/24朝)

ドル円、リスク回避ムード後退で急上昇。米株高と米金利上昇が支援材料

〇ドル円、FOMC後の米長期金利の急上昇と中国恒大集団のデフォルト懸念後退に一時110.36まで上昇
〇ユーロドルFOMC後に一時1.1683まで下落するもリスク選好回復に1.1751まで反発
〇トルコ中銀昨日予想外の利下げを実施トルコ円12.48まで急落
〇ドル円主要テクニカルポイントを上抜け、地合い好転、目先直近高値110.46を試すか
〇ファンダメンタルズもFRBの出口戦略へのコンセンサスが成立し、中国恒大集団の問題への懸念も和らぐ
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日はFRB関係者の講演多く要注意
〇本日の予想レンジ:109.90ー110.60

海外時間のレビュー

23日(木)のドル円相場は急上昇。@日本時間未明に発表された米FOMC(連邦公開市場委員会)で「資産買い入れペースの減速(テーパリング)が近いうちに正当化される可能性がある」旨が示されたことや、Aドットチャートで米利上げ開始時期の前倒し観測が高まったこと(2022年末時点の利上げ予想者は6月時点の7人から9人に増加、2023年末時点の利上げ予想者は6月時点の13人から17人に増加)、BパウエルFRB議長より「テーパリングの終了は2022年半ば頃が適切となる可能性がある」との発言が見られたこと、

C上記@ABを背景に米長期金利が急上昇したこと(米10年債利回りは1.29%から1.43%へ急上昇)、D中国恒大集団を巡るデフォルト懸念がひとまず後退したこと(中国当局は中国恒大集団に対してドル建て債券で目先のデフォルトを回避するよう指示)、E欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、9/8以来、約2週間ぶり高値となる110.36まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、110.31近辺で推移しております。

23日(木)のユーロドル相場は安値圏から持ち直す展開。@米FOMCのタカ派的な結果を背景に、アジア時間朝方にかけて、安値1.1683(8/20以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、A中国恒大集団を巡るデフォルト懸念の後退や、B上記Aを背景とした欧米株の堅調推移(リスク選好のドル売り・円売り圧力)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1751まで反発しました。しかし、C米長期金利の急上昇やそれに伴うドル高圧力が重石となると、
引けにかけて伸び悩み、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1739近辺で推移しております。

尚、トルコ中銀は昨日、市場予想に反して100bpの利下げ(19.00%→18.00%)に踏み切りました。エルドアン大統領の利下げ圧力にトルコ中銀が屈したとの見方が強く、中銀の独立性への疑念からトルコリラ円は一時12.48円(6/2以来、約3ヵ月半ぶり安値圏)まで急落しました。

本日の見通し

ドル円は9/22に記録した安値109.13をボトムに反発に転じると、昨日は一時110.36まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線、雲上下限を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります(目先は9/8に記録した直近高値110.46を試す展開を想定。同水準を上抜け出来れば、直近レンジ上方ブレイクでドル高・円安圧力がもう一段強まる可能性あり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FOMCを経て米金融政策を巡る不確実性が幾分後退したこと(11月FOMCでテーパリング宣言→12月にテーパリング開始→来年半ば頃にテーパリング終了→来年末までに利上げ開始といった大まかな市場コンセンサスが確立)、A中国恒大集団を巡るデフォルト懸念が後退したこと(中国恒大集団のデフォルト懸念はあくまでローカルイシューと捉える向きが大勢。黒田日銀総裁より「中国恒大集団を巡る問題はあくまでこの企業、中国の不動産業の問題である」との見解が示された他、

パウエルFRB議長からも「デフォルト懸念は中国特有の問題」との発言が報じられた→グローバルに波及するリスクでは無いとの見方からリスク回避ムード後退→リスクアセット急反発→リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(本日は米8月新築住宅販売件数に加えて、クリーブランド連銀メスター総裁講演、パウエルFRB議長講演、クラリダFRB副議長講演、ボウマンFRB理事講演、カンザスシティ連銀ジョージ総裁講演などイベント目白押し)。

本日の予想レンジ:109.90ー110.60

注:ポイント要約は編集部

ドル円、リスク回避ムード後退で急上昇。米株高と米金利上昇が支援材料

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