目先的には波乱要因として米株の動き注意(9/21夕)

21日の東京市場はドル小高い。値幅は限られたが、それでも「寄り付き安・大引け高」に近い動きで、見た目以上にドルが強かった。

目先的には波乱要因として米株の動き注意(9/21夕)

目先的には波乱要因として米株の動き注意

〇本日のドル円、109.35-40で寄り付き日中高値109.60-65へ値を上げる、ドル小高い展開
〇日経平均は大幅安となったが、NYダウ先物の200ドルを超える上昇を受け、リスク志向再び高まる
〇9/22のFOMC結果発表が今週最大の注目材料、中国恒大債務危機を背景とした米株の動きへの警戒感強い
〇本日、4-6月期経常収支・8月住宅着工件数発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.10

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はドル小高い。値幅は限られたが、それでも「寄り付き安・大引け高」に近い動きで、見た目以上にドルが強かった。

ドル/円は109.35-40円で寄り付いたのち、しばらくは低位揉み合い。109円半ばが超えられず低空飛行が続いたが、上抜けるとそのまま日中高値の109.60-65円へと値を上げている。日経平均株価は終値ベースで600円を超える大幅安をたどったものの、時間外で取引されているNYダウ先物は200ドルを超える上昇で、為替市場は後者を受けてリスク志向が再び高まっていたようだ。16時現在、ドル/円は109.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、NZドルは対円やドルで一時直近安値を下回るも終わってみれば小じっかり。対ドルでは0.7ドルを結局割り込めず、反発に転じている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「露加総選挙」について。
前者は、これまでも一部で話題を集めていた「中国恒大の債務危機」が昨日さらに鮮明化した感があり、米株を中心とした金融市場全般の波乱要因に。23日や29日に予定されている利払い期日をにらみつつ、資金繰りに苦戦しているとの見方からデフォルト懸念も取り沙汰されていたようだ。株式市場で中国恒大が売られただけでなく、不動産や保険株などにもそれが波及。さらには、相場全体を押し下げる要因となっていた感も否めない。
対して後者のうち、ロシアは19日まで下院選が行われていたが、プーチン大統領率いる与党・統一ロシアが圧勝したもようだ。中央選管によると、開票率75%時点で、統一ロシアが総議席の3分の2あまりを維持する見通しだという。ただし、この件について米英からは「ロシア下院選は公正に行われなかった」などとして非難コメントが発せられている。一方、カナダ総選挙は当初「政権交代」なども囁かれたが、選挙前と同じ少数与党ながら「トルドー首相の続投有力」といった報道が終盤に掛けて観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は上値トライかと思うと下、底割れ狙いかと思うと上に動くという猫の目かつ天邪鬼相場。また、結果としてレンジを脱却できないという状況がいまだ続いていることになる。度々指摘しているように109円台と110円台の吸着率は非常に強いものの、それでもすでに2ヵ月程度もレンジ取引をたどっており、日柄的には保ち合い放れを期待する声も聞かれ始めていた。思わぬ価格変動にも、念のため注意をしておきたい。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化はなく、22日に予定されているFOMCの結果発表が今週最大の注目材料に。ただ、明日のFOMCを意識しつつ、目先的には「中国恒大の債務危機」を背景としたNYダウなど米株の動きへの警戒感が強い。前述したように東京時間、時間外取引でNYダウは200ドル超の上昇と大きく上昇しているが、このあとオープンする実際のNY株式市場は果たしてどうか。動静如何で本日の為替、金融市場も波乱含みだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は新レンジ109.11-110.45円のなかでの推移が続く。ただ、そんなレンジ取引も1ヵ月以上が経過し、さすがに煮詰まってきた感を否めない。幸運なことに今週は注目材料を控えているうえ、2度も東京が休場となることで、ジンクスをもとにレンジ放れへの期待感を抱く声もあるようだ。ただ、抜けても108.72-110.80円のレンジにとどまる可能性は否定できない。

材料的に見た場合、中長期的には、メキシコがTPP参加に否定的な見解を示した「中国情勢」のほか、新株が続々と登場するなかワクチンの3回目接種が世界的な潮流として取り沙汰されている「新型コロナ」、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、4-6月期の経常収支や8月の住宅着工件数などが発表される見込みだ。また、米財務省による20年債入札、明日までの予定で米FOMCが開催される予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.10円。先週末そして昨日と2度ドルの上値を阻んだ110.05-10円レベルをめぐる攻防にまずは注目。上抜けば110.16円、110.45円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.33円が最初のサポート。下回ると先週安値である109.11円を目指す。

目先的には波乱要因として米株の動き注意

ドル円日足


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