ドル円、リスク回避の動き強まる中、株価の下げ縮小で小幅反発
連休明け21日午前の東京市場で、ドル円は109円台前半から半ばへ小幅に上昇。朝方、109.44レベルで取引の始まったドル円は序盤に一時109.35まで下げたものの、時間外の米株先物や米長期債利回りが東京時間も反発を続けたことから買い戻され109.60まで上昇、東京時間正午現在も109.60レベルで取引されています。
日経平均株価は先週末来強まっている、中国不動産大手恒大グループのデフォルト懸念に端を発した世界同時株安の動きの中で、売り先行で始まり、下げ幅は600円を超えました。その後買い戻しの動きもありもみ合いましたが上値は重く、結局30,000円を割り込んで601円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、中国政府が恒大グループを救済せず影響が他市場へ波及することや、同グループが簿外にさらなる債務を抱えている可能性への懸念から、欧米株価が急落、安全資産とされる米債券、米ドル、円などに買いが集まりました。
ドル円はドルも円も買われたために大きな動きとはなりませんでしたが、米長期金利の低下に沿う形で下落し、一時109.32まで下落、その後、株、米長期金利は反発したもののドル円の戻りは鈍く、109.40レベルで東京時間を迎えています。
テクニカルにはドル円は昨日の下落で、90日線、21日線等主要テクニカルポイントを下放れ、一目均衡表の「雲」の下での推移に転じましたが、依然として109.11-110.46のレンジ内でむしろ下値を切り上げつつあります。
このままリスク回避の動きが徐々に拡大すると、ドル円もじりじりと円買いが進みそうですが、中国政府による救済策が出た場合や、逆に中国政府が見捨てて本格的なリスク回避の動きとなる場合には、急激なドル買いとなる可能性もあり、どちらかといえばその場合のインパクトのほうが大きそうです。
本邦三連休中に急速にリスク回避の動きが強まった感のある金融市場ですが、本日はどちらかといえば過度の悲観に対する調整の動きとなっています。引き続き他業種、他市場への波及や、顕現化していない恒大グループの簿外の負債存在の可能性は懸念材料として残るものの、このまま中国政府が事態を放置するとも考えにくく、この後も関連ニュースのヘッドラインは要注視です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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