ドル円、安値圏から急反発。リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト
〇ドル円、アフガニスタンの地政学リスク等からのリスク回避の円買いに欧州時間序盤に109.13まで下落
〇その後は米長期金利上昇、主要通貨に対するドル買いに109.65まで急伸
〇米7月小売売上高は前月比-1.1%と期待外れなるもドル売りは限定的
〇ユーロドル、地政学リスク、欧州感染拡大懸念等から一時1.1708まで下落
〇ドル円「リスク回避の円買い」から「リスク回避のドル買い」にシフトか
〇テクニカルには90日線の位置する109.64レベルを抜けると110円突破も視野に
〇明日未明の7月FOMC議事要旨要注視、本日の予想レンジ:109.10ー110.00
海外時間のレビュー
昨日(17日)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@アフガニスタン情勢に端を発した地政学的リスクの高まりや、A中国経済の先行き不透明感、B新型コロナウイルス・デルタ株の世界的な感染拡大懸念、C米国で広がるスタグフレーション懸念、D日本政府による緊急事態宣言に係る追加方針の決定(対象地域を追加すると共に緊急事態宣言の期限を9/12まで延長)、E上記@からDを背景としたリスク回避の円買い圧力(株式市場の下落→クロス円下落→ドル円連れ安)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値109.13まで下落しました。
しかし、前日安値109.11(8/4以来、約2週間ぶり安値圏)をバックに下げ渋ると、E米長期金利の上昇や、Fリスク回避のドル買い圧力(リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト)、G短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値109.65まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、109.59近辺で推移しております。尚、注目された米7月小売売上高(結果▲1.1%、予想▲0.2%)は市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。
昨日(17日)のユーロドル相場は急反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.1785まで上値を伸ばすも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@アフガニスタン情勢を巡る地政学的リスクの高まりや、A欧州圏で広がる新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大懸念、B欧州経済の先行き不透明感、C世界的なリスク回避ムード(欧米株安→リスク回避のドル買い圧力)、D米長期金利上昇に伴うドル買い圧力、Eユーロ圏第2四半期GDP改定値(結果13.7%、予想13.6%)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、約1週間ぶり安値となる1.1708まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1710近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日8/16に記録した約2週間ぶり安値109.11をボトムに反発に転じると、昨日8/17は一時109.65まで急落しました。リスク回避ムードを残しつつも、外国為替市場の地合いが「リスク回避の円買い→リスク回避のドル買い」にシフトしたことが背景と考えられます。昨日はひとまず90日移動平均線が位置する109.64近辺で伸び悩む動きとなりましたが、同水準を回復出来れば、109円台後半に位置する一目均衡表基準線や転換線、心理的節目110.00突破も視野に入ります(来週8/26ー8/28に予定されているジャクソンホール会合に向けて急ピッチで米ドルが買い戻される可能性あり)。
こうした中、本日は日本時間21時30分に予定されている米7月住宅着工件数や、同2時00分の米20年債入札、同3時00分のFOMC議事録公表(7/27ー7/28開催分)に注目が集まります。特にFOMC議事要旨でタカ派的なスタンスが確認されれば、@米長期金利上昇に伴うドル買いと、Aリスク回避のドル買い(アフガン情勢を巡る地政学的リスクや中国経済の先行き不透明感、新型コロナウイルスの感染拡大が背景)が組み合わされることで、予想外に米ドル高が進行する可能性もあり、本日はドル円相場の続伸に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.10ー110.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.08.18
ドル円見通し 109円割れ回避から持ち直す、ドル全面高の様相(21/8/18)
ドル円はクロス円での円高よりもドルストレートでのドル高感が勝る形で反発した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.08.17
円高リスク継続、109円割れの可能性もあるか(8/17夕)
17日の東京市場は小動き。日本のお盆は過ぎたものの、「夏枯れ」商状は依然として続いているようで、動意は乏しかった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。