ドル円、安値圏から急反発。リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト(8/18朝)

昨日(17日)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、安値圏から急反発。リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト(8/18朝)

ドル円、安値圏から急反発。リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト

〇ドル円、アフガニスタンの地政学リスク等からのリスク回避の円買いに欧州時間序盤に109.13まで下落
〇その後は米長期金利上昇、主要通貨に対するドル買いに109.65まで急伸
〇米7月小売売上高は前月比-1.1%と期待外れなるもドル売りは限定的
〇ユーロドル、地政学リスク、欧州感染拡大懸念等から一時1.1708まで下落
〇ドル円「リスク回避の円買い」から「リスク回避のドル買い」にシフトか
〇テクニカルには90日線の位置する109.64レベルを抜けると110円突破も視野に
〇明日未明の7月FOMC議事要旨要注視、本日の予想レンジ:109.10ー110.00

海外時間のレビュー

昨日(17日)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@アフガニスタン情勢に端を発した地政学的リスクの高まりや、A中国経済の先行き不透明感、B新型コロナウイルス・デルタ株の世界的な感染拡大懸念、C米国で広がるスタグフレーション懸念、D日本政府による緊急事態宣言に係る追加方針の決定(対象地域を追加すると共に緊急事態宣言の期限を9/12まで延長)、E上記@からDを背景としたリスク回避の円買い圧力(株式市場の下落→クロス円下落→ドル円連れ安)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値109.13まで下落しました。

しかし、前日安値109.11(8/4以来、約2週間ぶり安値圏)をバックに下げ渋ると、E米長期金利の上昇や、Fリスク回避のドル買い圧力(リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト)、G短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値109.65まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、109.59近辺で推移しております。尚、注目された米7月小売売上高(結果▲1.1%、予想▲0.2%)は市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。

昨日(17日)のユーロドル相場は急反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.1785まで上値を伸ばすも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@アフガニスタン情勢を巡る地政学的リスクの高まりや、A欧州圏で広がる新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大懸念、B欧州経済の先行き不透明感、C世界的なリスク回避ムード(欧米株安→リスク回避のドル買い圧力)、D米長期金利上昇に伴うドル買い圧力、Eユーロ圏第2四半期GDP改定値(結果13.7%、予想13.6%)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、約1週間ぶり安値となる1.1708まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1710近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前日8/16に記録した約2週間ぶり安値109.11をボトムに反発に転じると、昨日8/17は一時109.65まで急落しました。リスク回避ムードを残しつつも、外国為替市場の地合いが「リスク回避の円買い→リスク回避のドル買い」にシフトしたことが背景と考えられます。昨日はひとまず90日移動平均線が位置する109.64近辺で伸び悩む動きとなりましたが、同水準を回復出来れば、109円台後半に位置する一目均衡表基準線や転換線、心理的節目110.00突破も視野に入ります(来週8/26ー8/28に予定されているジャクソンホール会合に向けて急ピッチで米ドルが買い戻される可能性あり)。

こうした中、本日は日本時間21時30分に予定されている米7月住宅着工件数や、同2時00分の米20年債入札、同3時00分のFOMC議事録公表(7/27ー7/28開催分)に注目が集まります。特にFOMC議事要旨でタカ派的なスタンスが確認されれば、@米長期金利上昇に伴うドル買いと、Aリスク回避のドル買い(アフガン情勢を巡る地政学的リスクや中国経済の先行き不透明感、新型コロナウイルスの感染拡大が背景)が組み合わされることで、予想外に米ドル高が進行する可能性もあり、本日はドル円相場の続伸に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:109.10ー110.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、安値圏から急反発。リスク回避の円買いからリスク回避のドル買いにシフト

ドル円日足

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