ドル円、安値圏から急上昇。クラリダFRB副議長によるタカ派的な発言が引き金に(8/5朝)

4日(水)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、安値圏から急上昇。クラリダFRB副議長によるタカ派的な発言が引き金に(8/5朝)

ドル円、安値圏から急上昇。クラリダFRB副議長によるタカ派的な発言が引き金に

〇ドル円、ADP雇用統計のネガティブサプライズに米国時間朝方108.72まで急落
〇その後ISM非製造業指数が過去最高値を記録、クラリダFRB副議長のタカ派発言等もあり急反発
〇米国時間に109円台半ばに戻す、その間米10年債利回りは1.13%から1.21%まで急上昇
〇ユーロドルは上記材料で米国時間朝方1.1900まで上昇後、1.1833まで急落
〇ドル円米国時間朝方の急落で、市場にあく抜け感、ロスカットでポジションも軽い
〇ファンダメンタルズも米当局者のタカ派発言続き、週末雇用統計への期待感も強い
〇ドル円上昇をメインシナリオとして予想、本日5・10日、公表相場決定にかけてのドル不足に要注意
〇本日の予想レンジ:109.10ー109.90

海外時間のレビュー

4日(水)のドル円相場は急落後に急反発。@米7月ADP雇用統計(結果33.0万人、予想69.5万人)のネガティブサプライズや、A上記@を背景とした米長期金利の急低下(米経済の先行き不透明感→米早期テーパリング観測後退→米10年債利回りは一時1.13%へ急低下)、B新型コロナウイルス(デルタ株)の感染拡大を背景とした世界経済の減速懸念(リスク回避ムード再燃→投資家心理悪化)が重石となり、米国時間朝方にかけて、5/26以来、約2ヵ月半ぶり安値となる108.72まで急落しました。しかし、5/26に記録した直近安値108.71をバックに下げ渋ると、C米7月ISM非製造業景況指数(結果64.1、予想60.5)のポジティブサプライズ(統計開始以来の最高値を記録。内訳の雇用項目も前月の49.3から53.8へ回復)や、

DクラリダFRB副議長のタカ派的な発言(利上げ開始条件は2022年末まで満たされる可能性があり、2023年からの利上げ開始は正当化される)、Eダラス連銀カプラン総裁によるタカ派的な発言(7月及び8月の雇用統計に進展が見られれば、近くテーパリングに着手することが得策だ)、F上記CDEを背景とした米長期金利の急上昇(一時1.13%まで低下していた米10年債利回りは1.21%へ急上昇)、G短期筋のショートカバー(冴えない米7月ADP雇用統計後に作られたドル売り・円買いポジションのショートカバー)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値109.68まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では109.50近辺で推移しております。

4日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米7月ADP雇用統計の冴えない結果や、A米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1900まで上昇しました。しかし、先週末金曜日(7/30)に記録した約1ヵ月ぶり高値1.1910をバックに伸び悩むと、B米7月ISM非製造業景況指数の力強い結果や、C米当局者によるタカ派的な発言(クラリダFRB副議長やダラス連銀カプラン総裁)、D上記BCを背景とした米長期金利の急上昇、E原油先物価格の急落(米早期テーパリング観測再燃に伴う過剰流動性相場の逆流リスク)が重石となり、米国時間にかけて、安値1.1833まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1840近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は冴えない米ADP雇用統計後に108.72まで売り込まれましたが、米ISM非製造業景況指数の良好な結果や米当局者によるタカ派的な発言をきっかけに109.68まで急反発する荒々しい値動きとなりました。悪材料出尽くしであく抜け感(ドル円ロング勢のストップを付けたことでポジションが軽くなった→米雇用統計前のポジション調整が一巡)が広がっていることもドル円を後押ししている一因と考えられます。

ファンダメンタルズ的に見ても、米当局者による相次ぐタカ派的な発言(8/2のウォラーFRB理事による「向こう2回分の雇用統計が80万人ー100万人増加すれば、FRBは10月までに量的緩和措置の縮小に着手する可能性がある」との発言や、昨日のクラリダFRB副議長およびダラス連銀カプラン総裁の発言)や、週末の米7月雇用統計への期待感(米ADP雇用統計はネガティブサプライズとなったものの、8/2に発表された米ISM製造業景況指数の内訳の雇用項目、昨日の米ISM非製造業景況指数の内訳の雇用項目は共に力強い結果)、本邦における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(日本経済の先行き不透明感→日銀による金融緩和の長期化観測→日米金融政策格差を背景としたドル高・円安)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(週末の米雇用統計に向けてドル円がもう一段上昇する展開を想定)。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル不足(ドル買い)に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:109.10ー109.90

注:ポイント要約は編集部

ドル円、安値圏から急上昇。クラリダFRB副議長によるタカ派的な発言が引き金に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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