ドル円、米FOMCおよびパウエル議長会見を経て上下するも方向感見出せず(7/29朝)

28日(水)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。

ドル円、米FOMCおよびパウエル議長会見を経て上下するも方向感見出せず(7/29朝)

ドル円、米FOMCおよびパウエル議長会見を経て上下するも方向感見出せず

〇ドル円FOMC結果公表後に一時110.29まで急伸するもパウエル議長会見で109円台に反落、方向感出ず
〇FOMC声明文は米経済の回復順調でFRBの目標に向け前進していると明記
〇パウエル議長は会見でテーパリング開始時期は今後のデータ次第、雇用の進展は遅い等ハト派的発言
〇ユーロドルFOMC結果公表直後に1.1774まで下落後議長記者会見で1.1850まで反発
〇米経済指標の重要性増す中で本日2QGDP、新規失業保険申請件数等要注視、アップサイドリスクに注意
〇本日の予想レンジ:109.60ー110.40

海外時間のレビュー

28日(水)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。注目された米FOMC(連邦公開市場委員会)では、@FF金利誘導目標を0.00%ー0.25%で据え置くこと、A債券購入プログラムの規模を維持することが全会一致で決定された他、B国内外の常設レポファシリティ(SRF)の新たな設置が発表されました。また、声明文では、C新型コロナウイルスの感染者数の拡大にも係わらず、米経済の回復が順調であること、D今後複数回の会合(coming meetings)で米経済の進展状況を確認すること、Eテーパリング開始に向けた議論を継続する意向があること等が示されました。

市場では、上記CDEがタカ派的と受け止められ、直後のドル円相場は110.29まで急伸しました。しかし、その後実施されたパウエルFRB議長記者会見において、Fテーパリングの開始時期は今後のデータ次第、G米経済の進展に達するには見極めるべきことがまだ残っている、H雇用面は進展に程遠い、I利上げを検討するのは時期尚早といった慎重な(ハト派的な)発言が繰り返されると(市場が過度に早期テーパリングを織り込まないようにバランスを取りながら火消しすると)、ドル円は一転して109.85まで反落する展開となりました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く(心理的節目110.00円を回復できず)、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では109.91近辺で推移しております。

28日(水)のユーロドル相場は下落後に反発。@ドイツGFK消費者信頼感調査(結果▲0.3、予想1.0)が市場予想を下回ったことや、A欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大懸念、B米FOMC声明のタカ派的な内容が重石となり、米FOMC直後には一時1.1774まで下落しました。しかし、CパウエルFRB議長によるハト派的な発言がドル売りを誘うと、米国時間午後にかけて、7/15以来、約2週間ぶり高値となる1.1850まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1845前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は米FOMCを経て上下するも方向感を見出すには至りませんでした(心理的節目110.00を挟んで上下する展開)。パウエルFRB議長が米経済の更なる進展について一層深く点検していく意向を示したことで、今後は一段と米経済指標(特にパウエル議長が進展に程遠いと発言した雇用に関する指標)に対する注目度が高まると予想されます。こうした中、本日は米第2四半期GDP速報値や、米新規失業保険申請件数、米6月住宅販売保留指数に注目が集まります。

米経済の進展が見られる場合には、8/26ー8/28に予定されているジャクソンホール会議や、9/21ー9/22の米FOMCでのテーパリング開始宣言を織り込む形で、米長期金利上昇→米ドル高の波及経路に繋がる可能性もあり、引き続き、アップサイドリスクに注意が必要でしょう(上値目途は一目均衡表基準線が位置する110.36、7/23に記録した直近高値110.60。下値目途は109.65付近に位置する90日移動平均線、7/19に記録した直近安値109.07)。

本日の予想レンジ:109.60ー110.40

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米FOMCおよびパウエル議長会見を経て上下するも方向感見出せず

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