ドル円 米FOMC注目、「インフレは一時的」なのか(7/28夕)

28日の東京市場はレンジ取引。本日はNY時間に注目の米FOMCを控えていることもあってか、積極的な動意は全般的に乏しかった。

ドル円 米FOMC注目、「インフレは一時的」なのか(7/28夕)

米FOMC注目、「インフレは一時的」なのか

〇ドル円、小動きながらも月末の広義需給要因や日米株価に一喜一憂しつつ109.70-90の狭いレンジ取引
〇明確な方向性が乏しいなか本日の米FOMCとパウエルFRB議長の講演が波乱要因となる可能性
〇政策金利などの変更はないとされているが将来的な展望の変化が示されるか注目
〇米国はコロナ変異種株感染拡大によりワクチン接種しても屋内でマスク着用を推奨と指針の見直しを発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.40-110.40

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はレンジ取引。本日はNY時間に注目の米FOMCを控えていることもあってか、積極的な動意は全般的に乏しかった。

ドル/円は109.75-80円で寄り付いたものの、基本小動き。月末をにらんだ広義需給要因や、日米株価の動きなどに一喜一憂しつつも、109.70-90円といった狭いレンジ内での往来相場に終始している。結局、夜半の米FOMC待ちといった様相に。16時現在では109.85円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、アジア歴訪中の米国防長官が講演で、中国と建設的な関係を持ち共通の課題に取り組む方針を示す一方、「中国の南シナ海領有権主張に国際法上の根拠はない」と述べたことが明らかに。両国の関係改善は簡単ではなく、道のりはまだまだ遠そうだ。そうしたなか、NYタイムズが「中国、ウイグルに新たな核ミサイル格納庫を建設」と報じ一部で話題になっていたようだ。

対して後者は、英BBCが同国専門家の話として「英国は10月までにコロナ収束の可能性がある」などとするかなり楽観的な内容を報道したうえ、FT紙も「ワクチンの接種完了を条件にEUと米国からの観光客の受け入れ再開を承認する」と報じ、物議を醸していたようだ。その反面、米国はサキ報道官が「渡米規制は当面緩めない」と発言。また、米CDCは「ワクチン接種でも屋内でマスク着用を推奨する」として指針の見直しを発表している。米英でのコロナ政策の相違が目に付いた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、「東京安・欧米高」の流れが昨日ストップするも引き続きレンジ内。ドル下値は109円半ばまでで底堅かった。期間をどこからとるのかによるが、もっとも値幅が狭い1円レンジ(109.60-110.60円)と考えても、すでに1週間以上に及んでいる。明確な方向性が乏しいことは間違いないものの、本日は注目材料を控えていることもあり、レンジ放れの動きを期待する声が少なくないようだ。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高く、うち後者について本日は米FOMCとパウエルFRB議長の講演が実施される見込みで、波乱要因として警戒されている。政策金利などの変更はないとの見方が一般的で、問題は将来の展望に変化が示されるのか否かとなろう。たとえば、パウエル氏はかねてから「インフレは一時的」との見方を一貫して取り続けているが、果たして変化はあるのだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間にやや動意づいた感があったものの、大局的にはレンジ内。前記したように、過去1週間程度と考えても109.60-110.60円の1円レンジだ。本日はこのあと注目材料が予定されていることもあり、その1円レンジを放れていくことが期待されているものの、それでも109-111円といったより大きなレンジ内にはとどまるといった声も聞かれていた。本格的な動意、明確な方向性が示されるのはいま少し先になるか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の米卸売在庫速報値などが発表されるものの、全体的に小粒で市場の関心も高くない。ただ、指摘している米FOMCのほか、NYダウの動きなどと絡めファイザーやマクドナルド、ボーイングの決算発表を注視している参加者も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.40円。先週末高値の110.59円が強い抵抗で、短期的にはその手前110.30-40円からも少しずつ重くなってきている感。また、ごく目先的には昨日までサポートだった110円の攻防に注目か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.58円が最初のサポート。割り込んでも底堅そうだが、前回安値109.06円が薄っすらとだが視界内に入ってくる。

米FOMC注目、「インフレは一時的」なのか

ドル円日足


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