ドル円、往って来い。市場予想を上回る米CPIで一時急伸するも結局反落
〇ドル円米CPIが予想を上回る強い結果となり、一時109.79まで急伸
〇その後はFOMCでドットプロットが引き上げられることには繋がらないとの見方広がり109.33まで反落
〇ユーロドル高値1.2195、安値1.2144、ドル買いとタカ派のECBスタンスのユーロ買いが交錯
〇ドル円米国のインフレリスクが高まっている状況に変わりなく下落余地乏しいか
〇本日の予想レンジ:109.00ー109.80
海外時間のレビュー
10日(木)のドル円相場は急伸後に急反落。@注目された米5月消費者物価指数(結果5.0%、予想4.7%、前回4.2%、※前年同月比)および、A同コア指数(結果3.8%、予想3.4%、前回3.0%、※前年同月比)が共に市場予想を上回ったことや、B上記@Aを背景とした米早期テーパリング観測の再燃(米インフレ懸念→米長期金利上昇→米ドル高)が支援材料となり、米国時間にかけて、一時109.79まで急伸しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りや、D米長期金利の低下(米消費者物価指数は市場予想を上回ったものの、来週のFOMCでドットプロットが引き上げられることには繋がらないとの思惑)が重石となり、米国時間午後にかけて、109.33まで反落し、現在(日本時間4時45分現在)も安値圏での推移が続いております。
10日(木)のユーロドル相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。@米5月消費者物価指数が市場予想を上回ったことに伴うドル買いと、AECB理事会後にラガルド総裁がタカ派的な見解を示したことに伴うユーロ買い(パンデミック緊急購入プログラム終了の議論は時期尚早としつつも、景気見通しは3ヶ月前よりも楽観的とし、2021年のユーロ圏GDP見通しを上方修正)が交錯し(綱引き状態となり)、結局方向感を見出すには至りませんでした(高値1.2195、安値1.2144)。材料出尽くしに伴う動意薄(市場参加者減少)も重なり、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、1.2175近辺での静かな取引が続いております。
本日の見通し
ドル円は、一時109.79まで上昇するも、引けにかけて109.33まで反落する「往って来い」の展開となりました。注目された米5月消費者物価指数は市場予想を上回る結果となったものの、来週6/15ー6/16のFOMC時に同時公表されるSummary of Economic ProjectionsにてFOMCメンバーの政策金利見通しを示唆するドットプロットが引き上げられる可能性は乏しいとの見方が、短期的なドル売りを誘った格好です。但し、インフレ懸念が恐ろしく強まっている点には変わりはなく、下値余地も限られそうです(下方には一目均衡表雲上限も控えており、余程強いドル売り材料が出てこない限り、更なる下落は容易では無い→売り一巡後の反発リスクに要警戒)。米経済指標の結果(米6月ミシガン大消費者信頼感指数)や、米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(米テーパリング時期を探る展開が継続。6月FOMCの可能性は遠のいたものの、7月議会証言、8月ジャクソンホール、9月FOMCへの期待感は根強い)。
本日の予想レンジ:109.00ー109.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.06.11
ドル円見通し 米CPIの上ブレと失業保険申請減少続くも米長期債利回りは大幅低下でドル安に(21/6/11)
米10年債利回りが当初は上昇反応を見せていたものの急低下に転じたことでドル円も急落に転じ、11日未明には109.29円まで反落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.06.10
レンジ放れなるか、米消費者物価に要注意(6/10夕)
10日の東京市場はドルが小安い。レンジそのものは狭かったが、夕方に掛けややドル売りが目立つ展開だった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。