レンジ放れなるか、米消費者物価に要注意(6/10夕)

10日の東京市場はドルが小安い。レンジそのものは狭かったが、夕方に掛けややドル売りが目立つ展開だった。

レンジ放れなるか、米消費者物価に要注意(6/10夕)

レンジ放れなるか、米消費者物価に要注意

〇本日のドル円、積極的な動意なく夕方に掛けややドル売りが目立つ展開
〇本日は米5月消費者物価指数、新規失業保険申請件数発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.90-109.90
〇109.65-70が最初の抵抗、上抜ければ110円、そして前回高値110.33がターゲットに
〇直近安値109.18を含めた109.20前後は強いサポート、割り込むようなら109円割れも

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はドルが小安い。レンジそのものは狭かったが、夕方に掛けややドル売りが目立つ展開だった。

ドル/円は109.60円前後で寄り付いたものの、積極的な動意には乏しい。NY時間に注目材料が控えていることもあり、売買は総じて手控えムードだった。しかし、そうしたなか、ドルは非常に緩やかながら下値を切り下げると、夕方には109.45円レベルまで値を崩し、16時現在でも、そのまま日中安値圏をキープ、欧米市場を迎えている。
ドル/円以外も全般的に動意が乏しいなか、一部クロスが冴えない。例えばポンド/円は小幅に続落し、前日記録した直近安値を更新すると5月27日以来の安値圏へ。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「英国情勢」について。
前者は、中韓外相が電話協議を行ったことが明らかに。韓国サイドの発表によると、「習国家主席の早期訪韓のために引き続き疎通していくことを確認した」とされ、中国側にしてみれば対中包囲網切り崩しの一環なのかもしれない。また中国商務相と米商務長官による電話会談も実施され、「貿易と投資の関係推進で一致した」などと発表されている。一方、バイデン米大統領は前任者であるトランプ氏が決定した「TikTokなど中国アプリの使用禁止」を撤回したことが別途話題になっていたようだ。
対して後者は、ロイターが「北アイルランド問題をめぐりEUと英国が応酬」と報じたように、英国が昨年にEUを離脱して以降、双方の関係はさらに悪化している感を否めない。ただ、その反面、英国は米国との関係構築を急いでいるフシが見受けられ、実際昨日から本日に掛け、英政府は声明を発表し「米英首脳は会談を実施し『早期渡航解禁に取り組むことで合意』する」との見通しを示していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はすでに1週間以上も109.20-110.30円といった1円強のレンジのなかにとどまっており、方向性は乏しい。過去の経験則からすれば、いましばらく足もとのレンジ取引が続いても不思議はないが、本日は欧米時間に注目の材料を控えていることもあり、それらを受けてのレンジブレークを期待する声も少なくないようだ。
市場では、引き続き広義の米ファンダメンタルズと金融政策に注目。昨日レポートしたように本日は5月の米消費者物価が発表される予定で、そちらがまずは注視されている。前月は前年比の伸びとしてプラス4.2%という数字を記録したが、今回はそれを上回る数字が期待されている。果たして実数値は如何ほどになるのか注目だ。また、ECBによる政策金利発表とラガルド総裁の記者会見についても、警戒を抱く声が多かった。

テクニカルに見た場合、前述したように1.1円レンジが1週間以上も続くドル/円だが、期間をさらに狭め「今週」だけに限定すれば、わずか50銭ほどしか動いていない計算。仮に、このまま今週が終わるとなると、「今年一番動かなかった一週間」−−になってしまう。さすがに、そうした事態は避けられると思いたいが、それもまずは本日の米指標発表後の動静次第だろう。今週の50銭レンジ、そして1.1円レンジをどちらに放れていくのか、その方向性が注視されている。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料は、5月の消費者物価指数のほか週間ベースの新規失業保険申請件数も発表される予定で、後者の数字にも要注意。先週末に発表された米雇用統計は予想を下回る内容だったこともあり、雇用に関する市場筋の関心は引き続き高い。また米財務省による30年債の入札などにも注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.90-109.90円。昨日の欧米時間から本日東京に掛けてドルの上値を阻んでいる109.65-70円が最初の抵抗。上抜ければ110円、そして前回高値110.33円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、直近安値109.18円を含めた109.20円前後はなかなか強いサポートか。底堅いイメージもあるが、しっかり割り込むようだと109円割れも。

レンジ放れなるか、米消費者物価に要注意

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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