ドル円、バイデン氏の6兆ドル歳出計画報道で急伸。約1ヶ月半ぶり高値圏へ
〇ドル円米国時間にかけ、約1ヶ月半ぶり高値となる109.93まで急伸
〇「バイデン米大統領が2022年度の予算教書で6兆ドルの歳出を求める計画」との米紙報道がサポート
〇ユーロドルは方向感に欠ける動き、1.22を挟んでの取引続く
〇ドル円一目均衡表転換線や雲上限、直近高値109.79を上抜けテクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもドル買い材料増える
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日は米PCEデフレータ要注視
〇本日の予想レンジ:109.50ー110.40
海外時間のレビュー
27日(木)のドル円相場は急上昇。@米ニューヨーク・タイムズ紙による「バイデン米大統領が2022会計年度の予算教書で6兆ドルの歳出を求める計画」との報道や、A上記@を受けた米長期金利の急上昇(国債増発懸念)、B根強い米早期テーパリング観測(クオールズFRB副議長は前日5/26に「資産購入縮小の条件を年内に満たすと予想」と発言)、C米新規失業保険申請件数の良好な結果(コロナ後の最低水準を更新)が支援材料となり、米国時間にかけて、4/9以来、約1ヶ月半ぶり高値となる109.93まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、109.82近辺で推移しております。
27日(木)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@ユーロ圏における新型コロナウイルスの終息期待(欧州経済の回復期待)や、A上記@を背景としたECBによるテーパリング観測の高まりが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、日通し高値1.2215まで上昇しました。しかし、Bバイデン米大統領が予算教書で6兆ドルの歳出を求める計画と報じられると、C米長期金利上昇を背景とした対主要通貨でのドル買い圧力も重石となり、米国勢参入後に一時1.2179まで反落する場面も見られました。もっとも、引けにかけては再び持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.2193近辺で方向感に欠ける値動きが続いております。
本日の見通し
ドル円は一時109.93まで急伸するなど、4/9以来、約1ヶ月半ぶり高値を記録しました。一目均衡表転換線や雲上限、5/13に記録した直近高値109.79を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは「強い」と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米早期テーパリング観測の高まりや、A月末に向けたドル買いフローの思惑(需給要因)、Bバイデン米大統領による財政出動への期待感及び国債増発懸念など、ドル高・円安を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は日本時間21時30分に予定されている米4月PCEデフレータ(FRBが重視する指標)に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米インフレ懸念再燃→米早期テーパリング観測→米長期金利上昇→ドル高の経路で、心理的節目110.00を一気に上抜ける可能性もあるため、注意が必要でしょう(110.00より上側のストップを付ける展開を想定)。また、本日は上記以外にも、米5月シカゴ購買部協会景気指数や、米5月ミシガン大消費者信頼感指数などに注目が集まります(良好な米経済指標が示された場合も、米早期テーパリング観測→米長期金利上昇→ドル高に繋がる可能性あり)。
本日の予想レンジ:109.50ー110.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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