基本はレンジ継続、FRB副議長発言に要注意(5/25夕)

25日の東京市場は、ドルが小安い。終日を通した値動きは20ポイント強にとどまったものの、終盤にかけてはややドル売りがかさんでいる。

基本はレンジ継続、FRB副議長発言に要注意(5/25夕)

基本はレンジ継続、FRB副議長発言に要注意

〇本日のドル円、108.85-90へわずかに値を上げたが続かず、その後下げ足を早めドルが小安い展開
〇ドル円、レンジ取引の継続が予想されるが、暗号資産・米株等の動きの影響を受ける可能性も
〇テクニカル的にも、レンジを「しっかり」放れていくには時間を要するか
〇市場は米テーパリングに高い関心、中立派とされるFRB副議長等米通貨当局者の発言に要注意
〇本日は5月消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数の発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.20-109.10

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は、ドルが小安い。終日を通した値動きは20ポイント強にとどまったものの、終盤にかけてはややドル売りがかさんでいる。

ドル/円は108.70-75円で寄り付いたのち、当初はややドル買い優勢。108.85-90円へとわずかに値を上げたが続かなかった。日米株価や暗号資産(仮想通貨)の動きをにらみつつ、以降は逆にドルがじり安推移。とくに夕方に掛けては下げ足を早め、16時現在では108.65-70円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなかランドが小じっかり。対円では7.84円台まで一時上昇し、年初来高値を更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「新型コロナと東京五輪」について。
前者は、国際情勢として「米国務長官、24日から中東を歴訪しガザへの支援提供に向け尽力する方針」、「米露首脳が会談実施で大筋合意、開催地はスイスの公算」、「米財務長官、来月のロンドンG7財務相・中銀総裁会議に出席へ」−−といったニュースが相次いだほか、国内要因としてカンザスティ連銀総裁による「インフレの上昇は無視できない」との発言。また、米上院共和党の議員6人がインフラ投資計画について25日に協議を行う旨を明らかにしていた。
対して後者は、共同通信が「米ファイザー、東京五輪関係者2万人にワクチンを無償提供する見通し」などと報じるなか、米国務省が開催まで2ヵ月を切るこの時期に日本への渡航警戒レベルを最高の「レベル4」に引き上げたことを明らかにした。前者を受けたポジティブな機運が一気に萎んだ格好だ。そののち、日本サイドからは加藤官房長官が「渡航中止勧告と選手団派遣は関連していないと米国から説明を受けている」と発言するなど火消しに動いているものの、中止あるいは再延期不可避との声がさらに高まってきた感も否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

金融市場を振り返った場合、参加者の関心がもっとも高いものは暗号資産(仮想通貨)であり、それに米株や金利、さらにゴールドなどが続く格好だ。正直、為替とくにドル/円の順位はかなり低いと言わざるを得ない。よって、単体で考えるとレンジ取引の継続が予想されるものの、暗号資産や米株などの動き次第ではその限りではない。気が付くと1ヵ月近く、レンジ取引をたどっていることもあり、「日柄的にはそろそろ保ち合い放れも」などといった期待まじりの声も聞かれている。
引き続き広義の米ファンダメンタルズが注視されており、なかでも米テーパリングについて市場は高い関心を持っているようだ。そうした意味では、発表される米経済指標の内容とともに、米通貨当局者らの発言には注意を払いたい。とくに本日は「中立派」に分類されことの多いクオールズFRB副議長の上院銀行委員会での証言が予定されていることで、その内容がとくに注意されている感を否めない。発言内容如何では思惑が広がり、波乱要因となることも。

テクニカルに見た場合、ザックリ言ってドル/円は約1ヵ月近く1.5円レンジを形成し、そのなかでの往来相場となっている。本稿執筆時、つまり東京夕方の展開を見るとレンジ下限意識した108.70円前後で推移しているものの、このまま続落し、下限割れを達成するか否かは微妙な情勢だ。また、仮に下限割れとなっても、一時的な動きで再びレンジ内へと回帰するとの見方もある。レンジを「しっかり」放れていくには、いま少し時間がかかるか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、5月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債入札も実施される見込みだ。ただ、それらよりもクオールズFRB副議長の上院銀行委員会での証言を警戒する声も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.20-109.10円。引き続き短期的には109円前後が抵抗として意識されている感がある。抜ければ、19日高値の109.34円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京夕方にかけて108.70円を割り込み、先週安値108.58円が視界内に捉えられてきた。割り込めば月間安値108.34円が意識されそうだ。

基本はレンジ継続、FRB副議長発言に要注意

ドル円日足


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