ドル円、上値の重い展開が継続。米長期金利の低下とリスクオフ再燃が重石
〇ドル円 米国でのJ&J社ワクチン接種停止報道株式市場軟調等で109.01まで下落
〇米3月CPIは予想上回る上昇見せるも為替への影響は限定的
〇ユーロドルZEW指数悪化等で1.1879まで下落後、米長期金利低下で1.1956まで急伸
〇ドル円上値重くテクニカrにはさらなる下落意識させる形状に
〇ファンダメンタルズもドル売り円買い材料増え、短期的には下落がメインシナリオか
〇本日、米輸入物価指数、パウエル議長他FRB関係者講演に注目
〇本日の予想レンジ:108.60ー109.40
海外時間のレビュー
13日(火)の外国為替市場でドル円は下落。アジア時間午後にかけて一時109.75まで上値を伸ばすも、前日高値109.78や、心理的節目110.00をバックに伸び悩むと、@新型コロナウイルスの感染再拡大や、A米国が血栓発生を理由にジョンソン・エンド・ジョンソン製の新型コロナワクチンの接種停止を呼びかけるとの一部報道、B株式市場の軟調推移(リスク回避の円買い)、C好調な米30年債入札結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値109.01まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、109.05近辺で推移しております。尚、注目された米3月消費者物価指数(結果2.6%、予想2.5%、前回1.7%、前年同月比)は市場予想を大幅に上回る伸びを示しましたが、「米インフレ加速→米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→ドル高」での反応は一時的なものに留まりました(直後に109.60まで上昇するもすぐに反落)。
13日(火)の外国為替市場でユーロドルは続伸。@新型コロナウイルスの感染再拡大や、Aドイツ4月ZEW景況感調査(期待指数結果70.7、予想79.5、前回76.6)の冴えない結果、B米3月消費者物価指数の伸び率上昇(インフレ加速)が重石となり、米国時間朝方にかけて、一時1.1879まで下落しました。しかし、C米長期金利が再び低下に転じると、D好調な米30年債入札結果も重なり(対主要通貨でドル売りが活発化)、米国時間午後にかけて、3/18以来、約3週間ぶり高値となる1.1956まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1950近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時109.01まで下落するなど、上値の重い展開が続いております(5営業日連続で心理的節目110.00に上値を阻まれる展開。4/7高値109.96→4/8高値109.91→4/9高値109.96→4/12高値109.78→4/13高値109.75)。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線を下抜けした他、これまでドル高・円安を支えてきた一目均衡表三役好転の終了も視野に入るなど(数日以内に遅行線が26日前のローソク足に接触する公算大)、テクニカル的に見て、更なる下落を意識させるチャート形状となりつつあります(続落リスクに要警戒)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大や、A米中対立激化懸念(リスク回避の円買い)、B米国で広がる双子の赤字、C株式市場の軟調推移(過剰流動性相場逆流への警戒感)、D米インフレ加速に伴う実質金利の低下、E年初より蓄積された円ショートのアンワイン(ポジション調整リスク)など、ドル売り・円買いを意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続きドル円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米3月輸入物価指数の他、パウエルFRB議長講演、NY連銀ウィリアムズ総裁討論会、クラリダFRB副議長討論会、アトランタ連銀ボスティック総裁討論会が予定されております。先週のPPI上昇、昨日のCPI上昇といったインフレ加速に対して米当局者がどのような見解を示すのかに注目が集まりそうです。
本日の予想レンジ:108.60ー109.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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