ドル円はレンジ継続か、時間調整続く公算
〇ドル円、一時109.75レベルへ値を上げたがドル高傾向長く続かずその後失速、終盤ドルは上げ渋る
〇イラン核施設での電気系統の問題、外相がイスラエルへ報復を明言するといった報道、続報に注意
〇イエレン米財務長官就任後初の為替報告書、米中対立を避けるものとなる見込み
〇ドル円、1円レンジの値動きが1週間に及ぶ、短期的には調整局面が続くか
〇週末にかけて重要な材料が相次ぐなか、米長期金利の動きを警戒する向きが多い
〇本日、3月米消費者物価指数発表、米財務省による30年債の入札も注目される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.10-110.00
<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場はドルが小じっかり。一時109.75円レベルまで順調に上値を伸ばしたが、その後失速。終盤にドルは上げ渋った。
ドル/円は109.35-40円で寄り付いたのち、しばらくは低位揉み合い。しかし、上値をキャップしていた109円半ばを超えると、そのまま一気に日中高値である109.75円レベルへと値を上げた。ただ、ドル高傾向は長く続かず、高値示現後に軟落。109円半ば近くまで下落したのち、16時現在は109.60-65円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「為替政策」について。
前者は、イラン中部ナタンツの核施設で「電気系統の問題が発生」。これをサレヒ原子力庁長官が「テロ」との見方を示すなか、同国内では敵対するイスラエルの情報機関モサドの関与を取り沙汰する声も高まっている。他国からの「サイバーテロ」ではないか、というわけだ。また、イラン外相がイスラエルへの報復を実際に明言するなど、キナ臭い動きが続々と表面化してきた。続報などにも要注意。
対して後者は、ブルームバーグが、米国は半期の一度発表する為替報告書で「中国を為替操作国に認定しない方針」と報じ話題に。イエレン米財務長官は就任後初の報告書で内容が注視されているものの、米中対立を避けるものとなる見込みだ。そうしたなか、黒田日銀総裁が参院財政金融委員会に出席。与野党議員からの質問に答えるなか、「局面だけ見た場合、円安はプラス面がある」などと述べたことが明らかとなった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は109円台、つまり1円レンジの値動きが早くも1週間に及んでいる。中長期的なリスクとしてドル高方向が指摘されるなか足もとは時間調整の雰囲気で、短期的にはいま少し調整局面の続く公算が大きそうだ。いずれにしても、次の方向性をめぐる動き、レンジ放れの有無にこのあとも注意を払いたい。
今週は週末にかけて重要な材料が相次ぐなか、本日は発表される3月の米消費者物価指数や米財務省による30年債の入札などが注視されている。米長期金利の動きを警戒する向きが多いだけに、どういった結果となるのか要注意だ。また、中国やロシア・ウクライナ、イランなどをめぐる国際情勢も気掛かり。場合によっては為替市場においても波乱要因となりかねないかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き109-110円という1円レンジ。どちらに放れるのかが目先の注目点で、上放れた場合には110.97円の年初来高値が視界内に捉えられる反面、下放れればまずは108.40円レベルがターゲットとなりそうだ。予想外という意味では、下方向に放れた方がインパクトは大きそうだが果たして如何に。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、3月の米消費者物価指数が発表されるほか、米財務省による30年債の入札が見込まれている。また、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁など欧米要人による講演も相次ぐ見込みで、各種発言にも要注意かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00円。上方向は、本日東京高値の109.75円レベルが最初の抵抗。超えると109.96円や110円半ばなどが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の109.24円をめぐる攻防にまずは注目。下回ればレンジ下限の109円ちょうどがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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