ドル円、約2週間ぶり安値圏へと急落。米長期金利の低下が重石
〇ドル円アジア時間に109.90まで上昇後米長期金利低下、指標不冴えで109.00まで急落
〇パウエル議長はIMFセミナーで物価上昇は一時的と発言
〇ユーロドル上昇、200日線、転換線を突破、ECB理事会での資産買入減速議論が明らかに
〇ドル円テクニカルには短期ダウンサイドリスク影響させるが中長期では3/23安値108.40が鍵か
〇米長期金利の動向要注視、10年債利回りが1.60%割れると下値試しの可能性も
〇本日の予想レンジ:108.80ー109.60
海外時間のレビュー
8日(木)の外国為替市場でドル円は続落。アジア時間に一時109.90まで上値を伸ばすも、前日高値109.94や、心理的節目110.00をバックに伸び悩むと、@上値の重さを嫌気した短期筋の戻り売りや、A米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは1.672%から1.621%へ低下)、B米新規失業保険申請件数(結果74.4万件、予想68.0万件、前回72.8万件)の冴えない結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、3/25以来、約2週間ぶり安値となる109.00まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、109.27近辺で推移しております。尚、パウエルFRB議長は国際通貨基金(IMF)が開催したバーチャルセミナーの中で、物価上昇は一時的(持続的なインフレにはならない)との見解を示しましたが、相場への影響は限定的となりました。
8日(木)の外国為替市場でユーロドルは上昇。@米長期金利の低下を背景としたドル売り圧力や、A短期筋のショートカバー(200日移動平均線や一目均衡表基準線を突破→ショートカバーを誘発)、Bドイツ2月製造業新規受注(結果5.6%、予想5.3%、前回1.4%)の力強い結果、CECB理事会議事要旨にて資産買い入れペースの減速についての話し合いが行われていたことが明らかとなったこと等がサポートし、米国時間にかけて、3/23以来となる高値1.1927まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1913近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は3/31に記録した高値110.97をトップに反落に転じると、昨日は一時109.00まで急落しました。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、心理的節目110.00も下方ブレイクするなど、テクニカル的に見て、短期的なダウンサイドリスクが警戒されます(※中長期的には、3/23に記録した安値108.40を下回らない限り、ドル高・円安トレンドは継続。下回れば上昇トレンド終了)。ファンダメンタルズ的に見ても、米早期テーパリング観測の後退(米長期金利の低下)や、投資家ポジションのアンワインドリスク(ドル独歩高の是正)、新型コロナウイルスの感染再拡大(ワクチン接種ペースの鈍化)など、ドル円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的なドル安・円高をメインシナリオとして予想いたします(米長期金利を睨みながらの神経質な展開が続く見通し。米10年債利回りが1.60%を割り込むようであれば、3/23に記録した安値108.40を試す可能性あり)。
本日の予想レンジ:108.80ー109.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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