ドル円、108円台半ばで方向感に欠ける展開。米長期金利の低下が重石(3/12朝)

11日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。

ドル円、108円台半ばで方向感に欠ける展開。米長期金利の低下が重石(3/12朝)

ドル円、108円台半ばで方向感に欠ける展開。米長期金利の低下が重石

〇ドル円反落、海外時間の米長期金利低下で108円台前半での取引
〇ユーロドル、ECB理事会の声明文で4-6に緊急購入プログラムの加速方針示され下落
〇その後「見通しリスクは一段と均衡した」のヘッドラインで日通し高値1.1990まで反発
〇ドル円上値重いがテクニカルな上昇トレンド継続中
〇ファンダメンタルズもドル円上昇材料残る
〇本日は米PPIミシガン大消費者信頼感指数に注目
〇本日の予想レンジ:107.90ー108.80

海外時間のレビュー

11日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@米政府による追加経済対策期待(バイデン米大統領が署名したことで新型コロナウイルス追加経済対策法案は成立)や、A上記@に伴う楽観ムード(米経済の回復期待)、B株式市場の堅調推移が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、日通し高値108.81まで上昇しました。しかし、前日高値108.92や、一昨日の高値109.25をバックに伸び悩むと、C米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは3/5に記録した1.62%から昨日は一時1.48%へ急低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.44近辺まで軟化する動きとなっております。

11日(木)の外国為替市場でユーロドルは急上昇。注目されたECB理事会では、政策金利が据え置かれつつも、声明文でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入ペースを4ー6月期に大きく加速させる方針が示されたことから、市場ではこれがハト派的と捉えられ、一時ユーロ売りが強まる場面も見られました。しかし、その後、「見通しリスクは一段と均衡した」とのヘッドラインが報じられると、一転してユーロ買いが強まり、米長期金利の低下も相俟って、米国時間午後にかけて、日通し高値1.1990まで反発する展開となりました。尚、ラガルドECB総裁は、「短期的な見通しは不透明」「一時的なインフレリスクは重視しない」と述べた他、PEPPの購入ペースを加速させる方針は足元の金融市場の逼迫に対応するためであり、「イールドカーブコントールでは無い」旨強調しましたが、市場の反応は限定的となっております。

本日の見通し

ドル円はこの2日間、108円台半ばで上値の重い展開が続いていますが、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、ダウ理論の上昇トレンドが成立している為、テクニカル的には上昇トレンドが継続中と判断できます(現在は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目。2/23から3/9にかけての急伸劇の反動)。ファンダメンタルズ的に見ても、バイデン米大統領の署名を経て追加経済対策が成立したこと(一人当たり1400ドルの現金給付→金融市場への流入期待)や、新型コロナウイルスの収束期待(昨日発表された米新規失業保険申請件数は良好な結果)、早期テーパリング観測を背景とした米長期金利の上昇リスクなど、ドル買い・円売りを意識させる材料が残っております。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は米2月生産者物価指数や、米3月ミシガン大消費者信頼感指数に注目。市場予想を上回る結果となれば、ドル円が再び反発に転じる可能性あり)。

本日の予想レンジ:107.90ー108.80

注:ポイント要約は編集部

ドル円、108円台半ばで方向感に欠ける展開。米長期金利の低下が重石

ドル円日足

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