ドル円、米長期金利の低下を背景に、高値圏から急反落(3/10朝)

9日(火)の外国為替市場でドル円は高値圏から急反落。

ドル円、米長期金利の低下を背景に、高値圏から急反落(3/10朝)

ドル円、米長期金利の低下を背景に、高値圏から急反落

〇ドル円欧州時間朝方にかけ109.24まで上昇後に急落、108円台半ばでの取引
〇米3年債の好調な入札結果とそれによる米長期金利の急低下が背景
〇ユーロドル200日移動平均線をバックに急反発1.19台を回復
〇ドル円テクニカルには上昇トレンド継続中、ファンダメンタルズもドル円上昇材料多い
〇昨日の下落は一時的押し目かドル円続伸がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:108.00ー109.00

海外時間のレビュー

9日(火)の外国為替市場でドル円は高値圏から急反落。@バイデン政権による追加経済対策期待(1.9兆ドル規模の新型コロナ対策法案が3/6に上院で可決→3/10に下院で採決予定)や、A米経済の回復期待(新型コロナワクチンの普及)、B米長期金利の高止まり、C心理的節目109.00を突破したことに伴うロスカット(ストップBUY)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、約9ヵ月ぶり高値となる109.24まで上昇しました。しかし、買い一巡後に利食い売りが強まると、Dロンドンフィキシングにかけてのドル売り圧力や、E短期筋の見切り売り(109円台での上値の重さを嫌気)、F米3年債入札の好調な結果、G上記Fを背景とした米長期金利の急低下が重石となり、米国時間午後にかけて、日通し安値108.42まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時15分現在)では、108.47近辺で推移しております。

9日(火)の外国為替市場でユーロドルは急反発。@米長期金利上昇に伴うドル高圧力や、AECBによる根強い追加緩和観測(3/11のECB理事会で長期金利上昇に係る抑制策が発表されるとの思惑)、B欧州当局者による明確なユーロ高牽制姿勢が重石となり、アジア時間朝方にかけて、日通し安値1.1836(昨年11/23以来、約3ヶ月半ぶり安値圏)まで急落しました。しかし、200日移動平均線(1.1822)をバックに下げ渋ると、C短期筋のショートカバーや、Dロンドンフィキシングに向けてのドル売り圧力、E米長期金利の急低下(好調な米3年債入札など)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5時15分現在)では、1.1904近辺まで持ち直す動きとなっております(日通し高値は1.1916)。

本日の見通し

ドル円は一時109.24まで上値を伸ばすも、ポジション調整主導で108.42まで急落しました。しかし、@一目均衡表三役好転が継続していること、Aボリンジャーバンドのバンドウォークが継続していること、Bダウ理論の上昇トレンドが成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上昇トレンドは継続中と判断できます(昨日の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と整理)。ファンダメンタルズ的に見ても、米政府による追加経済対策期待(一人当たり1400ドルの現金給付が金融市場に流入するとの期待感)や、新型コロナウイルスの収束期待(OECDは昨日、世界の経済成長率予測を上方修正)、米長期金利上昇・株高の併存など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が確認されます。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル買い・円売り(ドル不足)が警戒される他、米国時間に予定されている米2月消費者物価指数、米10年債入札にも注目が集まります(ブラックアウトルールで米当局者による口先介入が封じられている為、米国時間帯は米長期金利主導で金融市場が不安定化する恐れあり)。

本日の予想レンジ:108.00ー109.00

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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