ドル円、パウエルFRB議長の発言を受けて、約8ヵ月ぶり高値圏へ急上昇
〇ドル円、好調な米指標と長期金利上昇、パウエル発言で107.94まで急伸
〇パウエルFRB議長は「一過性のインフレに慌てない」と発言
〇緩和的な発言ではあるものの一部で期待された長期金利急騰への懸念はなく市場に失望感
〇ユーロドル米長期金利上昇に一時1.1962まで急落
〇ドル円テクニカルの地合い強くファンダメンタルズも上昇意識させる材料が増加
〇5・10日のドル買い、夜間の米雇用統計要注意
〇本日の予想レンジ:107.50ー108.50
海外時間のレビュー
4日(木)の外国為替市場でドル円は急伸。@米政府による追加経済対策期待(米上院での審議・採決通過期待)や、A新型コロナワクチンの普及期待(新型コロナウイルス収束→米経済の早期回復への連想)、Bテクニカル的な地合いの強さ、C米経済指標の良好な結果(米新規失業保険申請件数や米1月製造業受注)、DパウエルFRB議長によるタカ派寄りの発言(※パウエルFRB議長はWSJが主催する会合で「一過性のインフレに対して私たちは慌てない」と発言。市場では最近の米長期金利上昇に強い懸念を示したり、ツイストオペの可能性を示唆するのではないかと思われていましたが、そうしたことに言及しなかった為、失望感から米長期金利急騰→米主要株価指数急落→リスク回避のドル買いに波及)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約8ヵ月ぶり高値となる107.94まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、107.90近辺で推移しております。
4日(木)の外国為替市場でユーロドルは急落。@ECBによる追加緩和観測や、Aユーロ圏1月小売売上高(結果▲5.9%、予想▲1.4%、前回1.8%)の冴えない結果、BパウエルFRB議長によるタカ派寄りの発言(米長期金利急騰→ドル高)、C心理的節目1.2000を割り込んだことに伴うロスカット(ストップSELL)が重石となり、米国時間午後にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる1.1962まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1973近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は1/6に記録した安値102.58をボトムに切り返すと、昨日は約8ヵ月ぶり高値となる107.94まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状が続いております。ファンダメンタルズ的に見ても、米政府による追加経済対策法案の成立期待や、新型コロナウイルスの収束期待、パウエルFRB議長のタカ派寄りの発言(米長期金利急騰への火消しは行わない姿勢)、次回日銀金融政策決定会合(政策点検)でのマイナス金利深堀余地・明確化の思惑など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(米長期金利や米主要株価指数の動きに注目。アジア株が全面安となれば、リスク回避のドル買いが一段と強まる恐れあり。日本時間9時55分に予定されている5・10日の公表相場もドル円相場を下支えする可能性あり。尚、海外時間帯は日本時間22時30分に予定されている米2月雇用統計に注目)。
本日の予想レンジ:107.50ー108.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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