基本的にはドル続伸、FRB議長発言など注視(3/4夕)

4日の東京市場はレンジが狭いがドル高進行。「寄り付き安・大引け高」の様相で、値幅以上にドルの強さが目についた。

基本的にはドル続伸、FRB議長発言など注視(3/4夕)

基本的にはドル続伸、FRB議長発言など注視

〇4日のドル円は緩やかな右肩上がり、夕方には107.15レベルまで上昇
〇議会攻撃情報で米下院は4日に行われる予定だった審議の中止を発表
〇英政府「企業向けの法人税率を2023年4月に25%へと引き上げる」と発表
〇ドル円以外にもポンド円や豪ドル円、カナダ円などが年初来高値を意識した動き
〇本日はパウエルFRB議長の講演とOPECプラスの会合に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ106.70-107.60

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場はレンジが狭いがドル高進行。「寄り付き安・大引け高」の様相で、値幅以上にドルの強さが目についた。

ドル/円は寄り付いた106.95円レベルを日中安値にドルは緩やかな右肩上がり。107円台では頭も重く上昇は限られたが、夕方には107.15円レベルまで上昇。前日高値に面合わせする局面も観測されていた。16時現在でもドルは高値圏をキープ、107.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米経済情勢」と「英国情勢」について。
前者は、米連邦議会警察が「特定の武装組織が近く議会を攻撃するとの情報を得た」と発表し話題に。それを受け、米下院は4日に行われる予定だった審議の中止を早々に発表している。先日まで、1.9兆ドルにも達するコロナ追加対策法案の審議が「早ければ3日にも再開する見通し」で、バイデン氏も5日に「経済について発言する予定」だったが、そうした日程への影響も懸念されているようだ。日程の後ズレによる、実体経済への悪影響などについても見極めたいところだ。

対して後者は、英政府が、いわゆる「コロナ後」をにらんだ動きとされる「企業向けの法人税率を2023年4月に25%へと引き上げる」と発表した。財政再建に向けた行動のひとつと目されている。そうしたなか、英財務相から「来年半ばにコロナ流行前の水準回復へ」などとしたやや楽観的な見通しが聞かれたほか、英中銀理事からも「国内のインフレリスクは『眠っている』に過ぎず、消滅したわけではない」とのコメントが発せられている。

<< 欧米市場の見通し >>

依然として円全面安の流れが止まらない。ドル/円以外でもポンド/円や豪ドル/円、カナダ/円などは年初来高値を意識した動きだ。ドル/円単体で見た場合には、需給的にも上値が重くなりつつあるが、クロスが上値を試すことに連られ、結果としてドル/円も上昇するといった指摘も聞かれていた。なお、そうしたなか、昨日レポートした単なる円売りだけにとどまらない「日本売り」の可能性には引き続き注意を払いたい。
一方、材料的に注視されているものは大きく2つ。ひとつは「パウエルFRB議長の講演」であり、もうひとつは「OPECプラスの会合」になる。前者は、足もとの米長期金利上昇についての見解が気になるところで、後者は4月以降の減産縮小などが期待されているものの、3日実施された事前協議にあたる、共同閣僚監視委員会ではほぼ進展がなかったと報じられていた。果たして、どういった落としどころとなるのか要注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間に107円を超え、高値の107.15円を示現。そして本日東京時間にもほぼ同レベル、目先高値に面合わせしている。ポジションの偏りや、一本調子の上昇が続くことへの警戒感はあるものの、リスクとしては引き続きドル高方向にバイアスがかかる。
ちなみに、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは、61.8%戻しにあたる107.05-10円を超えてきたことから、次のターゲットは76.4%戻しの108.15円レベル。さらに1円程度の上昇があっても不思議はないのかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、週間ベースの新規失業保険申請件数や1月の製造業受注指数といった米経済指標が発表される予定だ。昨日発表された2月のADP雇用統計が冴えなかっただけに、米雇用データに対する警戒感は強いものがあり、とくに注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.70-107.60円。上方向は、昨日示現した戻り高値107.15円の攻防にまずは注目。超えれば107円半ば、そして前記した108.15円などがターゲットとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、2日続けてドルが下げ止まった106.65円レベルが最初のサポート。ただ下回っても下値は堅そうで、大崩れは目先予想しにくい。

基本的にはドル続伸、FRB議長発言など注視

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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