ドル円、上値の重い展開が継続。CPI鈍化とパウエル議長のハト派的な発言が重石(2/11朝)

10日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、上値の重い展開が継続。CPI鈍化とパウエル議長のハト派的な発言が重石(2/11朝)

ドル円、上値の重い展開が継続。CPI鈍化とパウエル議長のハト派的な発言が重石

〇ドル円米長期金利低下に104.42まで下落
〇その後日銀の金利深堀余地明確化の可能性報道で104.85まで上昇
〇米CPI鈍化、パウエル議長ハト派発言で104.60レベルに再下落
〇ユーロドル米長期金利低下で1.2144まで上昇後ラガルドECB総裁のハト派発言で1.2120レベルに反落
〇ドル円200日線の上抜け失敗後に日足の陰線3本で上値の重さ印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズもFRB関係者のテーパリング否定発言続きドル高を是正
〇本日の予想レンジ:104.20ー104.90

海外時間のレビュー

10日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@米当局者(2/8のクリーブランド連銀メスター総裁や、2/9のダラス連銀カプラン総裁)による相次ぐハト派的な発言や、A上記@を背景とした米長期金利の低下が重石となり、欧州時間朝方にかけて、1/29以来となる安値104.42まで下落しました。しかし、B一部メディアより「日銀は来月の金融政策決定会合で金利の深堀余地があることを明確化する可能性」と報じられると、一時104.85まで反発する場面も見られました。もっとも、ショートカバー一巡後は伸び悩み、C米1月消費者物価指数(結果1.4%、予想1.5%、前年同月比)の予想比鈍化や、DパウエルFRB議長によるハト派的な発言(「緩和的な金融政策が必要」「今後数ヶ月のインフレ上昇はあまり意味がない」)が重石となる中、本稿執筆時点(日本時間6時40分現在)では、104.60近辺で推移しております。

10日(水)の外国為替市場でユーロドルは伸び悩む展開。@米長期金利の低下を背景に、一時1.2144まで上値を伸ばすも、一目均衡表基準線や一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、AラガルドECB総裁による「緩和的な金融政策の継続が必要」「必要ならパンデミック緊急購入プログラムの増額も可能」との発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時40分現在)では、1.2120近辺まで軟化する動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時104.42まで下落するなど、冴えない動きが続いております(2/5高値105.78→2/10安値104.42)。テクニカル的には、市場参加者が注目する200日移動平均線の「上抜け失敗」に映ることから(高値記録後に日足陰線3本)、上値の重さを強く印象付けるチャート形状となっております(今後は105円台で戻り売りが強まり易い)。ファンダメンタルズ的に見ても、クリーブランド連銀メスター総裁、ダラス連銀カプラン総裁、パウエルFRB議長が相次いで「金融緩和の長期化」や「一時的なインフレ許容」を示唆するなど、市場で燻るテーパリング観測を否定する流れが続いております(一時的なインフレが見られたとしても、それがテーパリングに繋がることは無い旨強調→先週までのドル高の是正)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は中国が旧正月(2/11ー2/17)で休場となる他、日本も建国記念日で祝日となる為、アジア時間は動意に欠ける展開となりそうです。海外時間は米新規失業保険申請件数に注目。

本日の予想レンジ:104.20ー104.90

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上値の重い展開が継続。CPI鈍化とパウエル議長のハト派的な発言が重石

ドル円日足

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