日中休場もあり小動き、基本はレンジ継続か
〇ドル円日中10ポイントほどの値動き日本、中国休場で開店休業状態
〇バイデン政権の対中政策微妙に軟化か
〇テクニカルには短期リスクは下方向
〇21日線、90日線、一目均衡表の「雲」との位置関係注視
〇ドル/円予想レンジは104.10-104.90
<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場はベタ凪。東京が「建国記念の日」で休場となるなか、中国も「旧正月」が始まるなど、金融市場はほぼ開店休業状態だった。
ドル/円は104.55-60円で寄り付いたものの、ほぼ動意らしい動意なし。価格変動は105.55-65円といったわずか10ポイント程度の横這い推移をたどっている。途中、注目されていた米中首脳会談に関する報道なども伝えられたが、目立った反応はみられず。16時現在でも引き続き104.55-60円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「欧米の金融政策」と「米中情勢」について。
前者は、オンラインセミナーで、ラガルドECB総裁が「インフレについて心配すべき時期はまだしばらく先」と述べたうえで、「緩和的な金融政策の継続が必要」などと発言し話題に。そののち、パウエルFRB議長は「追加的な政府支援が必要」、「引き続き経済をしっかりと支えられるように金融政策を講じていく」と指摘、低金利政策の継続を示唆するコメントが聞かれていた。
対して後者は、バイデン米大統領が改めて「国防総省が対中戦略を見直す」と宣言し、一部で思惑を呼ぶ。さらに、米紙WSJがトランプ氏の強い肝煎りで進められていた「TikTokの米事業売却」について、「バイデン政権が無期延期にした」などと報じていた。なお、先でも取り上げた注目の米中首脳会談では、米国側が「中国の不公正な経済慣行、新疆ウイグル自治区での人権侵害などについて懸念を表明した」反面、習中国国家主席からは「米中間の対立は惨事になる」とし対立回避を求めるコメントが発せられていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
米大統領選の際に、トランプ氏から「親中派」と言われ続けたバイデン氏が正式に米大統領に就任しておよそ3週間経過したが、前述した発言などを聞く限り、やはりそうしたイメージは拭えない。それも、良い意味での「米中融和」であれば大歓迎だが、必ずしもそうはなりそうでないところが気に掛かる。いずれにしろ、日本においても防衛問題などで受ける影響が大きいだけに、情勢をしっかりと見極めたいところだ。
依然として米株や金利の動きが注視され、為替市場はそれらの動きに一喜一憂か。とくに前者、株価に対し最近は「株高=ドル安」という逆相関をたどることが少なくない。ただ、そんな米株は、本日東京の時間外取引で堅調推移をたどっている。それからすると、このあとについてもドル/円は下方向にややバイアスのかかった展開となる可能性を否定できないのかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日東京夕方に突然40ポイントを超える急伸を見せたが上値は重く、105円にはとどかなかった。以降は低位揉み合いをたどっている。チャートを見ると、短期的なリスクは下方向にバイアスがかかりそうで、昨日安値である104.42円をめぐる攻防にまずは注目。そのスグ下には、移動平均の21日線や90日線が位置し、さらには一目均衡表の先行帯の雲の上限も近くで横たわっている。かなり底堅そうだが、逆にそれらをしっかり下回ればなし崩し的なドル安進行も否定できないだろう。
材料的に見た場合、領有権や人権問題などで様々な対立を抱える「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、米経済指標は週間ベースの新規失業保険申請件数在庫が発表されるほか、米財務省による30年債の入札が予定されている。また別途、デギンドスECB副総裁やクノット・オランダ中銀総裁ら欧州の要人が相次ぎ講演を実施する見込みだ。米国よりも欧州情勢が要注意かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.10-104.90円。昨日高値の104.85円をめぐる攻防を注視。超えれば105円台回復が視界内に捉えられそうだが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、同じく昨日安値の104.42円がサポートとして意識されており、前述したように下回っても104円前半には移動平均や一目均衡表などのテクニカルサポートが集中しており底堅そう。(了)
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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