ドル円、約1ヶ月半ぶり高値更新後に反落。米株を睨みながらの神経質な展開
〇ドル円リスク回避のドル買いに104.46まで上昇約一か月半ぶり高値を示現
〇その後は米GDPの大幅落ち込み、リスク回避ムード後退に104.25近辺まで反落
〇ユーロドル、リスク回避のドル買いに1.2079まで下落するも独CPI上昇、株価急反発で1.21台回復
〇ドル円一目均衡表の「雲」や90日線の突破に失敗、上値の重さ確認
〇株安再開が本日はドル円下落につながる展開予想
〇月末5・10日の公表前ドル買いの動き要注意
〇本日の予想レンジ:103.90ー104.60
海外時間のレビュー
28日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@前日海外時間以降のリスク回避ムード(米ゲームストップ株の乱高下に端を発した世界的な株安→リスクアセット売り→資産現金化需要のドル買い)を背景に、米国時間朝方にかけて、一時104.46(昨年12/10以来、約1ヶ月半ぶり高値)まで上値を伸ばすも、A一目均衡表雲上限をバックに戻り売りが強まると、B2020年の米実質国内総生産(GDP)が1946年以来、74年ぶりとなる大幅な落ち込みを記録したことや、C上記@の発端となった米ゲームストップ株に対して、オンライン証券のロビンフッドやインタラクティブ・ブローカーズが取引制限措置を講じたこと(個人投資家による投機熱が収まるとの期待感)、D上記Cを受けたリスク回避ムードの後退(米国株が急反発→リスク選好のドル売り再開)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、104.25近辺まで反落する動きとなっております。
28日(木)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@イタリアを巡る政局不透明感の高まりや、A世界的な株安に端を発したリスク回避のドル買いを背景に、欧州時間朝方にかけて、安値1.2079まで下げ幅を広げるも、前日安値1.2057をバックに下げ渋ると、Bドイツ1月消費者物価指数の伸び率上昇(結果1.0%、予想0.7%、前年同月比)や、C欧米株の急反発(ゲームストップ株に対する取引制限→投資家心理の改善→株高→リスク選好のドル売り)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.2127近辺まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はポルトガル及びデンマークが新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する目的の制限措置(ロックダウン)の延期を発表しましたが、市場の反応は限定的となっております。
本日の見通し
ドル円は一時約1ヶ月半ぶり高値となる104.46まで急伸するも、戻り売りに押される形で反落に転じました(終値ベースで一目均衡表雲上限及び90日移動平均線を突破することに失敗→テクニカル的に上値の重さを再確認)。ファンダメンタルズ的に見ても、米オンライン証券による取引制限措置を契機に株式市場が落ち着きを取り戻しましたが、本質的な解決には至っておらず、潜在的なリスク回避の芽は引き続き残っていると考えられます。この為、本日は、株安再開→ドル高→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路を予想いたします。尚、本日は月末5・10日(30日が土曜日のため前倒し)となる為、日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル買い・円売りには注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:103.90ー104.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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