ドル円103円台後半で小動き バイデン大統領の経済対策は想定内
15日午前の東京市場でドル円は動意なく推移。朝方103.71レベルで寄り付いたドル円は午前中小動きに終始、取引レンジは103.70-85の15銭にとどまり、ほぼ無風状態でした。東京時間正午現在は103.76レベルで取引されています。
注目されたバイデン次期大統領のデラウエア州でのスピーチでバイデン氏は第一弾の対コロナ追加経済対策として1.9兆ドル規模の対策案を発表しました。内容的には一人1,400ドルの現金給付、失業給付金の増額の9月までの延長、最低賃金の15ドルへの引き上げ、州、自治体支援の強化等など期待通りの十分な規模のものでした。
しかし、事前に伝わっていた「2兆ドル」に微妙に欠けるヘッドラインとなったためか、為替市場は無反応、米10年物国債利回りは1.12%台から1.10%台へ低下、時間外の米株先物も一時急落後低下傾向と金融市場は「Sell the fact」に近い反応となっています。
日経平均は買い先行で始まりましたが、前日米主要株価指数がマイナス圏で終了したことやバイデン大統領の経済対策が想定内だったことで、その後は調整主体の動きとなり59円安で午前の取引を終了しています。
昨晩の海外市場で株価は追加経済対策期待から堅調推移しましたが、終盤に米長期金利の上昇と利益調整売りに押されマイナスに転じました。為替市場では新規失業保険申請件数が8月以来の悪化となったことでドル円は下落。また、パウエルFRB議長が「インフレに関する面倒な兆候が出てこない限り利上げはしない」「利上げの時期は当面訪れない」等と述べたことから、米長期金利の上昇は止まり、ドルは主要通貨に対して売られる展開となりました。
テクニカルにはドル円の立ち位置は変わらず、本日103.50近辺の21日移動平均線と一目均衡表の「雲」の下限に挟まれての持ち合いが続きます。
イベント通過で一旦為替市場は材料待ちとなりますが、米下院でトランプ大統領の弾劾訴追が決まり、20日に迫るバイデン次期大統領の就任式に向け大規模な武装抗議活動が計画されているとして、米当局が厳戒態勢に入っているなど、米国での政治的緊迫感が高まっており、市場への影響は要注意です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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