ドル円、米長期金利の低下を背景に103円台後半で上値重く推移
〇ドル円トランプ大統領弾劾の可能性、米長期金利急低下に昨日一時103.53まで下落
〇その後104.00まで反発するも、米30年債の好調な入札等からの米金利再低下に再度103円台後半に軟化
〇ユーロドルは欧州当局者のユーロ高牽制発言、イタリア政局不透明に1.2140まで急落
〇ドル円テクニカルには一目均衡表の「雲」に頭抑えられ上値の重さ印象付ける
〇トリプルブルー確定後のドル高ムード一巡米長期金利低下でそる円下落を予想
〇本日の予想レンジ:103.40ー104.20
海外時間のレビュー
13日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@新型コロナウイルスの感染拡大や、A上記@を背景とした世界経済の先行き不透明感、Bトランプ米大統領の弾劾裁判開始の恐れ、C米長期金利の急低下が重石となり、日本時間正午にかけて、約1週間ぶり安値となる103.53まで下落しました。しかし、D日経平均株価の堅調な動きを背景に円売り圧力が強まると、米国時間朝方には一時104.00まで反発する場面も見られました。もっとも、同水準では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、E米12月消費者物価コア指数(結果0.1%、予想0.1%)が市場予想通りの結果に留まったこと(インフレ圧力が見られなかったことに対する安堵感)や、F米30年債入札の好調な結果、G上記EFを背景とした米長期金利の更なる低下が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、103.88近辺で推移しております。
13日(水)のユーロドル相場は急反落。@米長期金利の低下を背景に、欧州時間朝方にかけて、高値1.2223まで上値を伸ばすも、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンド等のレジスタンスポイントに続伸を阻まれると、A欧州当局者(ラガルド総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁)によるユーロ高牽制発言や、B欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大(ロックダウンの長期化リスク)、Cイタリアのレンツィ元首相が連立与党からの離脱を示したことに伴うイタリア政局不透明感の再燃が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.2140まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2155近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は1/11に記録した直近高値104.40をトップに反落に転じると、昨日は一時103.53まで下げ幅を広げました。一目均衡表雲下限に抑えられる形で綺麗に下落に転じており、テクニカル的に見て、上値の重さを印象付けるチャート形状となっております。ファンダメンタルズ的に見ても、トリプルブルー確定後のドル高ムードが一巡していることや、昨日の米消費者物価コア指数を受けてインフレ懸念がひとまず和らいだこと、米長期金利が再び低下に転じたこと等、ドル円相場の下落を想起させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では、ドル円相場の下落を予想いたします。尚、本日は米国時間(1/15午前2時30分)に予定されているパウエルFRB議長講演に注目が集まります(米金融政策の方向性を見通す上で注目。米債市場の変動を通じて米ドルのボラティリティが高まる恐れあり)。
本日の予想レンジ:103.40ー104.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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